第4回:業種や業態が異なっても課題は同じ(前編)意外と気付かない移動というムダ

岡崎隆之 (Dropbox Japan)

2019-05-20 07:00

 生産性の向上、働き方改革といった目標は明らかであっても、具体的にどのような課題があって、どのように解決すべきかを簡単に把握することはできません。課題を把握するためには、日々の業務をよく観察して記録、分析したり、チームにヒアリングしたりするなど地道な調査が必要となります。というのも、改善後に見れば非効率極まりないことであっても、慣れてしまうと課題だと認識しなくなってしまうためです。

 このような慣れによって隠れてしまった課題を探すためには、前述のような調査が必要です。しかし、現状の業務に追加しての調査となると、なかなか手が回りにくいという現状があるのではないでしょうか。

 様々な業種業態の顧客が抱える課題をまとめると、課題と解決方法には似たような傾向があることがわかりました。今回と次回にわけて事例として紹介していきます。

 非効率を生む要因の一つに移動時間があります。典型的なケースは特定のファイルを特定のファイルサーバーに格納することがルールとして決まっており、そのファイルを参照、編集するためにその場所に移動する必要があるケースです。

ムダな移動時間が積もって残業…

 建設現場では、設計図面や現場写真、品質管理のためのチェックリストなど様々な書類を利用されています。大型ショッピングモールやトンネルなど、大きな建設現場をイメージしてみてください。敷地内は端から端まで車でも数分かかる場合もあります。大量の図面を印刷して現場へ持参しており、もし特定の図面を出力し忘れてしまうと、毎回現場事務所へ取りに戻る必要が発生します。5分、10分といった距離であっても往復すると数十分の無駄が発生します。現場で撮影した写真を本社の設計部に送付するためだけに事務所へ戻るなど、これらの積み重ねが残業となっていました。

 Dropbox BusinesとiPadなどのタブレットの導入後は、図面はすべてiPadで現場からアクセスでき、現場写真などもその場で本社へ送付可能になりました。CADソフト「AutoCAD」のファイルもプレビューでき、タブレットやスマートフォンから確認できます。持ち運ぶ資料、移動の削減で品質向上やコスト削減、残業削減や定時退社といった効果があるようです。

 電波状況の悪い洋上や地下といった現場でもDropboxが活用されています。Dropboxで撮影した現場写真はネットワークへの接続が確保した時点でアップロードされるため、電波状況を気にせず利用できます。また、Dropbox Businessのオフラインフォルダ機能を利用すれば、前もってタブレットやスマートフォンへのファイルダウンロードが可能で、必要なファイルを参照できます。一度フォルダをオフラインフォルダに設定すれば、資料の更新があった場合もネットワークに接続されると自動的に更新されます。端末にダウンロードしておくよりも効率的で、古い資料を参照する心配がありません。

 この事例は建築業での例となりますが、同じようにファイルへアクセスしたいだけのために事務所などへ移動を余儀なくされているケースは多くの業種業態の方に散見されます。報告書を作成するだけのために帰社するといったケースでもDropbox Businessを利用して削減できます。

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