レノボ幹部が語る、サーバー企業からデータセンター企業への“変革”

大河原克行 2019年05月21日 06時00分

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 Lenovoのデータセンターグループ(DCG)が、2019年度の重点事業の一つに位置付けているのが、「Lenovo TruScale Infrastructure Services」である。同サービスは、ITシステムのハードウェアリソースを使用した分だけを支払うというサブスクリプションモデルであり、初期投資額を最小化し、ニーズの変化に基づいた対応やリスクの低減、セキュリティーコントロール、メンテナンスや管理までを提供することができる。同グループのバイスプレジデント&ゼネラルマネージャーのLaura Laltrello氏に、Lenovo TruScale Infrastructure Servicesを中心としたサービスビジネスへの取り組みについて聞いた。

Lenovo データセンターグループ バイスプレジデント&ゼネラルマネージャーのLaura Laltrello氏
Lenovo データセンターグループ バイスプレジデント&ゼネラルマネージャーのLaura Laltrello氏

--Lenovo TruScale Infrastructure Servicesの提供を開始しました。成果はどうですか。

 Lenovo TruScale Infrastructure Servicesは、使用量をもとに、ITリソースを調達する新たな方式です。ThinkSystemやThinkAgileといったハードウェアや、さまざまなソフトウェアなどのIT資産を保有せず、毎月の使用量に対して、オペレーションコストとして支払うことができるものであり、ハードウェアの設置、展開、管理、保守、監視、システムヘルス、撤去までを含んだ、本当の意味での使用量ベースのサービスモデルとなります。競合他社の提案がリースモデルに近いものであるのとは全く異なります。この革新的ともいえる提供方法によって、IT部門に対するデータセンターインフラの調達と更新方法に大きな変化を起こすことになります。

 そして、クラウドが持つ経済性と、オンプレミスの安全性という両方のメリットを提供するものだと言えます。まだ、スタートしたばかりですが、非常にいい手応えを感じています。IT部門はシステムの管理業務や保守に追われ、革新のために費やす時間が不足する課題を抱える一方、システムの拡張性や柔軟性の維持、アップデートの自動化などによる簡素化、リソース管理のアウトソース化などへの要望が高まっています。

 また、顧客からの要望や企業の差別化は、プロダクト中心から顧客中心へと移行しており、そのためには新たなテクノロジーが不可欠であり、IT部門は、ますますビジネスのイノベーションに集中する必要があります。Lenovo TruScale Infrastructure Servicesは、このようにIT部門が変化しようと考えている今の流れに合致した提案があり、IT部門を支援できるものだといえます。

--このサービスの強みはどこにありますか。

 ハードウェアレベルでの管理に加えて、サービスの対象をさまざまなワークロードのソフトアェアにも広げている点です。これは、他社にはないLenovoだけのものです。また、使用量をもとにした独自の「メーターソリューション」は、最低支払額として設備投資費用が請求されることはなく、ワークロードがアクティブに稼働している時の容量に対してのみ、料金を請求するものになっています。容量は、事業ニーズに合わせて拡大することも縮小することもできるため、常にITインフラストラクチャーの規模を適正に維持でき、リアルタイムに使用量を確認しながら、費用のコントロールと予測を可能にしています。さらに、オンブレミスであってもクラウドであっても、一つの場所から管理ができることや、あらゆるハードウェアを対象にすることができる点も特徴です。

 そして、顧客やパートナーと強いパートナーシップを組み、お互いにリスクを共有しながら、導入を進めるという点も大きな特徴です。顧客の成功はLenovoの成功につながります。顧客には、「カスタマーサクセスマネジャー」が割り当てられ、問題が発生した際には、解決策を探り、それに向けた明確な道筋を提示することになります。新たなテクノロジーを活用したサービス環境を顧客、パートナーとともにマネージしていくことになります。

--ビジネスという観点で見た場合、Lenovo TruScale Infrastructure Servicesの進展具合はどうですか。

 あらゆる業種の顧客がこのサービスに興味を示しています。NSP(ネットワークサービスプロバイダー)やシステムインテグレーター、大学、金融サービス、ヘルスケアといった幅広い顧客が関心を寄せており、そうした企業や機関と話し合いをしているところです。

 大手企業にとっては、初期導入コストや柔軟性を持った運用によって、コスト削減のメリットがあります。また、多くの大手企業はクラウドへの移行を重視していますが、CIO(最高情報責任者)には、データとセキュリティーの管理とともに、コスト削減のプレッシャーがあります。また、クラウドの購入モデルと、データセンターのオンプレミスの購入モデルとがバラバラであることも解決したいと思っています。こうした課題にも対応できる点でも、Lenovo TruScale Infrastructure Servicesへの注目が集まっています。

 また、中小企業からも注目を集めており、急成長を遂げている企業が、自らの成長の予測が立ちにくい中で、成長に合わせて適切な形でシステムを拡張させたいとする企業にも最適に提案となります。中小企業はキャッシュフローが低く、投じられるオペレーションコストも限定的です。さらに、初期導入コストを低くしたい、ITに関する専門知識を持った社員がいないため管理を簡素化したい、といった要望もあります。ここでもLenovo TruScale Infrastructure Servicesの強みが発揮できます。

 定期利用モデルに切り替えることで、顧客は、自社のビジネスの成長を支えることに集中でき、IT環境全体に、適切な柔軟性と経済性を確保でき、高いセキュリティーを実現できる。機敏性、効率性、単純性を高めることができます。

 現時点では、南米や欧州などで数社が導入しています。簡単に導入できること、どれだけ支払えばいいかが明確であること、成長に合わせて拡張できることが導入した理由です。

--課題はありませんか。

 1つは商談の期間が長期化しているケースが多い点です。発表してからの顧客の反応や関心の度合いは、われわれの予想以上でした。しかし、完全にインプリメンテーションするまでに、まだ時間がかかっています。時間がかかる理由の1つは、この仕組みのメリットが伝わり切れてないという点にあります。これまでにはない仕組みですから、導入する意味やメリットを、十分に理解をしてもらう必要があります。今、世界各国で積極的にワークショップを行っています。

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