「Windows 7」のサポートが2020年1月14日に終了することを考えれば、「Windows 10」への移行が終わっていないIT部門には、あまり時間は残されていない。調査によれば、期日が迫っているにも関わらず、まだ約3分の1のWindowsユーザーがWindows 7を使い続けているという。これにあてはまる企業は、この移行をどう乗り切ればいいのだろうか?この記事では、4人の最高情報責任者(CIO)から、Windows 10への移行に関するベストプラクティスについて話を聞く。
1.問題に精通している人材に頼る
英国北部にあるリーズ市議会の最高デジタル情報責任者(CDIO)Dylan Roberts氏は、多くの組織にとっては、Windows 7から10への移行は、それほど大変な作業ではないと述べている。同氏は、Windowsは「堅牢でよくできた」OSだと述べている。移行作業はこれまで行ってきたことの延長線上にあり、IT部門が問題に精通している外部の専門家と緊密に連携を取るのが最善だという。
「Windows 10への移行にそれほど苦労することはないはずだ。すぐにMicrosoftの営業担当者に連絡するか、パートナーと相談すべきだろう」と同氏は言う。「地方政府では、単純化し、標準化し、共有することが重要だ。すでに移行を経験した組織の協力を得ることで、重要な知識を得ることができるだろう。しかし、本当に必要になる前にすべてのデバイスをリプレースすることは望ましくない」
Roberts氏は、リーズ市ではすでにデバイスの4分の1をWindows 10に移行したと述べている。同市のIT部門は、すべてのデバイスをサポート期間終了までに更新する予定だ。同氏は、市議会は移行に関して段階的アプローチを選択し、新OSへの移行を急ぎすぎないようにしたと話す。
「われわれは、資産から最大限に価値を引き出せるように取り組んできた」と同氏は言う。「移行の際には、どうすればWindows 10で既存のすべてのアプリケーション、特にレガシーシステムを利用できるかを検討する必要がある。新しいバージョンのOSに移行すれば、ハードウェアを更新し、メモリを追加したり、SSDに移行したりする必要がある場合もある」
2.事業の混乱を最小限にとどめる
英国の大手運送会社WincantonのCIOであるRichard Gifford氏は、できるだけ早くWindows 10への移行を済ませるのが同社のアプローチだと話す。同社では、エンタープライズレベルのほとんどのデバイスは、すでにWindows 10で動いているという。自動化や電話システムなどの一部の分野には部分的に古いWindowsのテクノロジーがいくらか残っているが、Gifford氏はそれほど心配していない。