群馬県太田市とNTT東日本 群馬支店は6月10日、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を活用した業務効率化に関する実証実験を共同で行うと発表した。実施期間は、2019年6月11日から11月30日まで。
両者によると多くの市役所では、申請における書類の処理や、システムの利用に伴うデータの転記・再入力といった作業が多くあり、その大半は職員の手作業で行われているという。
これまでも業務のシステム化などによる効率化を試みてきたが、システム化に向かないPCを使用する定型作業も数多くあり、長時間労働の是正には至らなかったとしている。
また財政縮小や人口減少などの理由から今後、職員数の減少が予想されるため、DX(Digital Transformation:デジタル変革)の推進や業務の効率化は、地方自治体にとって大きな課題となっている。
今回の実証実験では、NTT東日本が太田市にRPAツールの提供と導入支援を行い、行政事務に対する有効性を検証する。使用するRPAツールは、横浜市役所の実証実験でも用いられたNTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)の「WinActor」だ。
長時間労働の是正に加え、定型作業の負荷軽減・効率化により、限られた職員の時間を市民対応や業務検討に充てることで、サービスの向上を図る。また、RPAに関する研修などを実施することにより、職員のスキル向上や意識の醸成を目指す。
太田市とNTT東日本は、RPAに適した業務である定型反復業務を抽出し、該当する業務にRPAツールを適用することで業務処理を自動化する。そして、RPAの本格導入に向けて効果を検証する。
太田市は今回の実証実験により得られたデータと知見を踏まえて、太田市役所での業務におけるRPAツールのさらなる活用について検討していく。NTT東日本は今回の実証実験から自治体業務におけるRPA導入の知見を得ることで今後、他の自治体業務への提案など、全社的な事業への波及を目指しているという。