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Gartner Summit

データ分析の目標と原則をチームで共有せよ--ガートナーが原則を解説

日川佳三

2019-06-18 06:00

 ガートナー ジャパンの「ガートナー データ&アナリティクス サミット 2019」が6月10~12日に開催された。初日のオープニング基調講演に3人のアナリスト、堀内秀明氏、藤原恒夫氏、一志達也氏が登壇、「不確実な時代だからこそ、明確な目標を掲げてリードせよ」と題し、見通しのきかない現代において明確な目標を掲げてリードするためのアプローチを紹介した。

 一志氏は講演の冒頭、「データ分析には不確実性がある。分析してみなければ、どんな成果が得られるのかは分からない」と指摘した。成果が得られるかどうかはチーム次第、大切なポイントは「先にあるのは原則で、ルールは後からついてくる」(一志氏)という点だ。

 何をすべきかを見失わないためには、チームで目標を共有することが大事になる。目標をストーリーとして構成し、メンバーに分かりやすく伝える必要がある。しかし、原則を説明せずにルールだけを押し付けたら、なぜルールに従わなければならないかが分からない。

 まずは、原則を明確にする必要がある。不確実な領域に立ち向かうためには、「まずは原則が先にあり、ルールは後から付いてくる、というスローガンが重要」(一志氏)になる。

 オープニング基調講演では、3人のアナリストが、(1)データドリブン:データ中心の考え方、(2)プライバシー、(3)AI:人工知能――の3つの分野で不確実性に対処するための原則を解説した。

新しいデータで新たな評価指標を作り、試行錯誤せよ

 (1)のデータドリブンにおける原則を堀内氏が解説した。それは、「試行錯誤をするマインドセットを持つ」ことだ。企業文化を変えて、常に評価指標に疑問を投げかけることが大切だ。新しいデータを試し、新しい評価指標を作る。こうした試行錯誤のマインドセットによって、質の悪い評価指標を軽減できる。

ガートナー ジャパン マネージングバイスプレジデントの堀内秀明氏
ガートナー ジャパン マネージングバイスプレジデントの堀内秀明氏

 統計上は、データドリブンな組織を作ることは、企業が生き残る上で有効だ。しかし、個別に事例を見ていくと、データドリブンだけでは成功しないケースがある。さらに、データドリブンには2つの罠がある。1つは、意図しない結果を生むこと。もう1つは、努力不足だ。

 評価指標が想定外の結果を生んでしまう事例がある。コンチネンタル航空は1980年代、燃料消費を減らすための評価指標を作り、燃料を節約したパイロットに報酬を与えた。目標は達成できたが、飛行速度を落としたり空調を切ったりして、顧客満足度が下がってしまった。

 努力の不足は、既存のデータに頼ることを意味する。企業は、新しいデータを収集するよりも、既存のデータを使った簡単な指標を作りがちだ。このため、データ分析は結果の確認に止まり、パフォーマンスの改善につながらない。これを改め、新たなデータを用いた先行指標を作成しなければならない。

 適切なデータを調達する調達部門が企業にないことも問題だ。成功例の1つが大手飲料メーカーだ。地域別の需要予測の精度を高めるに当たり、アジアにおけるアルコール消費量のデータセットを見つけ、これを予測に使った。その結果、予測精度を3%以上改善し、900万ドル以上の在庫コストを削減した。

 「意味のある評価指標を作るためには、試行錯誤が必要だ」と堀内氏は言う。なぜその指標を使うかを説明することも必要だ。評価指標をどう受け止めるかという部分に不確実性がある。「評価指標を試行錯誤していたら、コンチネンタル航空のようなミスは起こらなかったかも知れない」と堀内氏は指摘する。

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