MicrosoftはWindows 10 20H1ブランチの「Windows Insider Preview Build 18917」をWindows Insiderプログラムのファーストリング向けに公開した。このビルドには、話題の「Windows Subsystem for Linux 2」(WSL 2)が含まれている。
WSL 2は5月に開催されたMicrosoft主催の開発者向けカンファレンス「Build」で発表された。WSL 2には、Linuxバージョン4.19をベースとしたMicrosoft製Linuxカーネルが使用されている。
このカスタムLinuxカーネルでは、ブート時間が短縮され、メモリの利用効率が向上しているほか、ファイルシステムの入出力性能、Linuxの互換性が改善されており、Dockerコンテナをネイティブに実行する機能も備えている。また、「ファイルエクスプローラー」などのWindowsアプリから、Linux側のルートファイルシステムにアクセスできるようになった。
Microsoftは、WSL 2を試してみたいユーザーのために、導入の手順やヒントを説明するブログ記事を公開している。
Windows 10 20H1は2020年の春にリリースされる予定になっている。それに先だって公開される予定の機能アップデートである19H2ブランチには、まだプレビュー版がリリースされていない。
今回のビルドでは、Windows 10のアクセシビリティ機能である「ナレーター」も改善され、スプレッドシートのテーブルの読み方が変更された。
新しいナレーターでは、ヘッダーのデータが先に読み上げられ、その後にセルのデータ、続いてそのセルの行と列の位置が読み上げられるようになった。ヘッダーが変更された際にも、ヘッダーの情報が読み上げられる。
また、Microsoftは公式にアップデートのダウンロード速度を「Mbps」単位の絶対値で選択できる新しいオプションの存在を発表した。
この機能は、1週間前にリリースされた20H1のプレビュービルドにはすでに、公式な発表がないまま追加されていた。この機能は、低速のネットワーク接続を利用している顧客のためのものだ。これまで、ダウンロード速度の上限は、利用できる帯域の割合でしか指定できなかった。この機能は、[設定] > [更新とセキュリティ] > [詳細オプション] > [配信の最適化] > [詳細オプション] から利用できる。
Microsotはまた、「Windows Inkワークスペース」の使い勝手も改善している。新しいWindows Inkワークスペースでは、表示サイズが小さくなった一方で、ホワイトボードのコンポーネントは「Microsoft Whiteboard」アプリにまとめられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。