レノボ・ジャパンは6月25日、ノートPC「ThinkPad X1 Carbon」「ThinkPad X1 Yoga」の2019年モデルを発表した。
同社コマーシャル事業部企画本部製品企画部プロダクトマネージャー吉原敦子氏は、2019年モデルThinkPad X1について、働き方改革をサポートするための3つのこだわりがあるとして、「オーディオ」「セキュリティ」「外装」を挙げる。
吉原氏によると、テレワーク利用者の行動特性として、オンライン会議の利用、他者とのコミュニケーションをしながら働くというネットワーク型の働き方、鉄道での移動・通勤が高いという。また、PCの果たす役割がドキュメント作成や分析、メールなどの“創る”ためのツールから、オンライン会議や共同編集、プレゼンテーションなどのコラボレーションのツールへと変化していると同氏は述べる。
オーディオについては、オンライン会議での利用を前提とした新しい設計となっているという。「Dolby Atmos」スピーカーシステムを採用し、キーボード面にツイーター、筐体底面にウーファーをそれぞれ2つ配置し、「人の声が聞こえやすく、重低音も臨場感を持って体感できる仕様」(吉原氏)となっている。ディスプレイ上部のベゼル部分には4つの360度全方位マイクを搭載することで4m先の音声もクリアに集音する。
そのため、ThinkPad X1をオンライン会議で使用しても「背面側からの声もきちんと拾え、しっかりと相手に届けることができる」と吉原氏は述べる。
レノボ・ジャパン大和研究所第3先進ノートブック開発システムデザインの高橋睦良氏によると、ベゼルへの4マイク搭載のため、基板を小型化するとともに独自の接続技術を開発したという。
ThinkPad X1 Carbonの内部
セキュリティについては、場所を問わず働くテレワーカーのためにのぞき見を防止する機能「ThinkPad Privacy Guard」の搭載が可能となっている(ただし、搭載モデルは後日発売予定)。ThinkPad Privacy Guardは、物理的フィルターが不要で、キータッチひとつで有効化できるため、「のぞき見による情報漏洩を防止することに非常に効果を発揮する機構」だと吉原氏は述べる。
また、カメラカバー「Think Shutter」が改良され、カメラに触れることなく簡単に指一本で開閉できるようになり、赤外線(IR)カメラモデルにも搭載されるようになった。
外装については、ThinkPad X1 Yogaは筐体にアルミニウムを採用し、「クールな質感と見た目で、幅広い層にアプローチできる仕上がりになっている」と説明。ThinkPad X1 Carbonは、カーボン柄天板が選択可能になり、「プレミアム感のあるPCを持ち歩く喜びは、働くって最高だというモチベーションにつながっていくのではと考えている」と吉原氏は述べる。
レノボ・ジャパン大和研究所システム機構設計の宮本旅人氏によると、ThinkPad X1 Carbonのカーボン柄天板では、本物の炭素繊維の織物によるリアルな外観とともに、新規塗料によりカーボン柄を半透明できれいに見せ、柔らかい手触りや対指紋性能を実現しているという。また、ThinkPad X1 Yogaの筐体は、ThinkPadとしては初の削り出しによるフルアルミの筐体で、アルミの美しさと小型化のために全てを新設計したと宮本氏は説明する。
ThinkPad X1 Yogaの筐体