チーム力の向上へ--Dropboxの新たな挑戦は奏功するか - (page 2)

松岡功

2019-06-27 07:00

チームコラボレーションの中心にあるのはコンテンツ

 Dropboxは現在、グローバルで有料ユーザー数が一千数百万人、無料登録ユーザーを合わせるとおよそ5億人に利用されており、これまで個人向けを中心にサービス展開してきた。さらにここ数年は企業向けにもサービスを提供し、個人向け市場で磨き上げてきたユーザービリティを売り物に契約数を伸ばしているという。

 その企業向けサービスについては、2019年3月7日掲載の本連載「Dropbpx Businessの強化でコラボレーションツール市場は大激戦へ」で取り上げているので参照いただきたい。

五十嵐光喜 代表取締役社長
五十嵐光喜 代表取締役社長

 五十嵐氏にはこれまでも折りに触れて取材してきたが、つい最近聞いた中では「Dropboxはこれまで個人向けを中心としたクラウドストレージとして使われてきたが、ここにきて企業でもチームコラボレーションのツールとして使われるケースが増えてきた」とのコメントが印象的だった。今回発表されたNew Dropboxはチームコラボレーション、すなわち「チーム力を向上させる」機能を大幅に強化した形だ。

 Clark氏も会見で「Dropboxはシェアードホルダーからチームのワークスペースに進化した」と繰り返し語っていたのが印象的だった。シェアードホルダーはクラウドストレージ、チームのワークスペースはチームコラボレーションを図ることと同じ意味と捉えられる。

 ただ、チームコラボレーション市場はグループウェアやSNS系ツールなどもひしめく大激戦区だ。New Dropboxに確かな勝算はあるのか。今回の会見の質疑応答で単刀直入にこう聞いたところ、Clark氏は次のように答えた。

 「企業においてチームで業務を遂行する上で、コラボレーションの中心にあるのはコンテンツだ。コンテンツを軸としたツールがチームコラボレーションに最も最適だと確信している。しかもDropboxはすでに多くの個人ユーザーに使われており、そのまま企業でも使い続けていただけると確信している。今回のNew Dropboxで、さらに進化したエクスペリエンスを提供していきたい」

 「チームコラボレーションの中心にコンテンツがある」というのは説得力がある。同社の新たな挑戦は果たして奏功するか。引き続き、注目しておきたい。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]