欧州委員会(EC)は、英国が欧州連合(EU)を離脱(ブレグジット)した後も、英国に居住しているEU市民による.euドメインの使用を許すという決定を下している。
.euドメインに関するECのこの新たな見解は、EU市民が英国住所で登録している.euドメインの取り扱いに対するさらなる方針転換となる。
今回の方針転換は、ECのドメイン管理機関であるEURidのウェブサイトで現地時間7月19日に発表された。これにより、英国に居住するEU市民は.euドメインを維持できなくなる可能性があるという1月の決定が覆されたことになる。ECは1月の時点で、そのような状況にあるEU市民はブレグジットから2カ月以内に、英国の住所で登録されている.euドメインを手放す必要があるとの決定を下していた。
19日の発表には「2019年10月19日より居住の基準に市民権の基準が追加されるため、英国に居住するEU市民は.euの適格性の基準に対するこの変更によって、ブレグジット時点における.euドメイン名を維持し続けられるようになる」と記されている。
しかし、英国に居住する非EU市民と、EUではなく英国で創設された組織については、2018年3月に発表された同規則が依然として適用される。ECの直近の決定に従うと、こうした市民や組織はブレグジット前に.euドメインの登録や更新ができない。
The RegisterのKieren McCarthy氏が指摘しているように、ブレグジットをめぐる.euドメインの規則が二転三転することは、同ドメインにとって悪影響の方が強い。というのも、.euドメインでウェブサイトを運営するメリットがあるのはEU域内に顧客を抱える企業に限られるためだ。
ブレグジットがIT業界にもたらすであろう影響はドメイン名に限られておらず、IT業界は英国向けの投資や、欧州からテクノロジーの専門家を雇用するうえでの企業能力、EUに製品(さらに重要なのはサービス)を販売するうえでのIT企業の能力にもたらされる影響について懸念を抱いている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。