テレワーク比率は84%、紙も9割削減--働き方改革進める味の素の徹底ぶり - (page 2)

阿久津良和

2019-07-30 06:45

 データ化や外部倉庫を活用するなど徹底的なペーパーレスへ取り組むことで、1フロアあたり290段あったキャビネットを72段まで減らし、紙書類は9割減。数値化すると、オフィススペースの13%を占めていたキャビネット空間が2%へ削減した。

 同社のテレワーク取得者比率は84%(2017年度)と1人あたりに直すと約49時間となり、「(テレワークが)当たり前の風土になりつつある」(金田氏)と語りつつ、2019年度の目標として平均総実労働時間1800時間を目標に掲げている。

 「働き方改革の第1弾は完了した。“働き方改革 2.0”となる『先進的働き方』を目指す」(金田氏)

 同社はデータや人材管理、コミュニケーションといった文脈で先進的な他社と自社を比較し、現状を分析するベンチマークを実施。その結果、コミュニケーションやコラボレーションの課題が明確化し、次なる具体的な施策を定義付けている。

 その1つがコンテンツ共有に分類されるファイルサーバーの利用環境。改めて述べるまでも多くの企業がクラウドストレージを活用しつつあるが、同社も「Box」を全社的に導入している。

 Boxを活用することで、先進的働き方を支える5つのうち、「いつでも、どこでもシンプルに使えるデバイスとサービス」「自由で生産的の高い働き方や、社内外との活発なコミュニケーションを促進するITワークスペース」「脅威から常に守られ、発生した課題に迅速対応できる安心・安全な環境」の3つの確立を目指す。

味の素によるコンテンツ共有環境
味の素によるコンテンツ共有環境

 2021~2023年度は「ありたい姿を実現」する“働き方改革 3.0”という目標を掲げつつも今現在も抱えているであろう、以下の5つの課題を提示した。

  • 働き方の「質」を高め、グローバルなうねりとするためのフラグシップ的施策のあり方
  • 部門の枠を超えて、社内外と連携してネットワークとして成果を出す働き方への移行
  • 生産性向上で生み出された時間を活用した個人の成長支援
  • グローバルな共通ITワークスペースにおける情報セキュリティの確保と展開
  • 一人ひとりの自律的な働き方を支援するサポート体制の充実とリテラシーの向上

 たとえば最後の自律的な働き方は情報システム部門に依存せず、自らサービス内容を学んで取り組む意味を表す。

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