中小企業基盤整備機構は、「IBM Watson」を活用して起業や経営の具体的な相談へ的確に回答する人工知能(AI)を使ったチャットボット「E-SODAN(イーソーダン)」の運用を開始した。開発を支援した日本IBMが発表した。
E-SODANは、中小企業の経営者などを対象に幅広い経営相談に対応する。同機構がこれまで実施してきた経営に関する相談や支援に基いて作成したFAQ、各種マニュアル、テキスト、ウェブサイト情報などをWatsonに学習させ、営業や販売、マーケティングに関する質問に、詳細な情報や対応案を提示する。また、チャットボットで適切に回答できない内容は、専門家とのチャットサービスを付加し、さらに、対面での相談に引き継いで対応する仕組みも備えている。
同機構ではE-SODANの開発により、可視化された知識や知見は、経営相談や企業支援に対応する支援人材へ新たな気づきを促すとともに、後進者の育成にも役立ち、AIと人間の両方の成長に貢献しているとしている。近年、同機構では、起業者・経営者支援の質と量をさらに向上していくため、いつでも気軽に相談できるよう、AIの活用を推進してきた。2018年3月には、起業に関する相談に応答するAIチャットボット「起業ライダーマモル」を開設し、現在は利用登録者数が1万2000人を超えている。