Broadcomは米国時間8月8日、Symantecのエンタープライズ向けセキュリティ事業を107億ドル(約1兆1300億円)で買収する契約を締結したと発表した。今回の買収によってSymantecは実質的に分社化され、同社のエンタープライズ向けセキュリティポートフォリオと、「Symantec」というブランド名はBroadcomのものとなる。Symantecは、「LifeLock」というID保護のブランドや、ウイルス対策ソフトウェア「Norton」などのコンシューマー向けポートフォリオを維持するという。
Symantecのエンタープライズ向け事業の2019会計年度における売上高は23億ドル(約2430億円)だった。Broadcomは買収完了時期を2020会計年度第1四半期と見込んでおり、買収完了後12カ月以内にランレートでコストシナジーが10億ドル(約1060億円)を上回るとしている。
Broadcomの最高経営責任者(CEO)Hock Tan氏は近年、エンタープライズ向けソフトウェア市場に大きく舵を切るなかで複数の企業買収を決断してきた。2018年7月には、企業向けソフトウェアを手掛けるCA Technologiesを189億ドル(約2兆1200億円)で買収すると発表した。Tan氏は、「M&AはBroadcomの成長戦略の中核となっており、BrocadeやCA Technologiesの買収に続いて、今回の買収は当社の戦略で次の必然的な1歩となる」と述べた。
同氏は「Symantecのエンタープライズ向けセキュリティ事業は、成長を続ける同業界のリーダーとしての地位を確立しており、現代の進化し続けている脅威からの保護と、エンドポイントからクラウドまでのデータに対するセキュリティの強化を実現する世界で最もパワフルな防御ソリューションを開発している。われわれは今後、『Forbes Global 2000』に名を連ねる、自社の重要な顧客ベースに対して、ミッションクリティカルなインフラソフトウェアの事業を拡大していく所存だ」と述べた。
またSymantecは同日、2020会計年度第1四半期決算とともに、従業員のおよそ7%を削減するリストラ計画を発表した。施設やデータセンターの閉鎖で約1億ドル(約105億円)のコストが発生する見通しだと説明している。退職/解雇給付のコストを7500万ドル(約79億円)、サイト閉鎖のコストを2500万ドル(約26億円)としている。
第1四半期の非GAAPベースの1株当たり利益は43セント、売上高は12億4000万ドルだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。