アップル、セキュリティ研究者向けに特別な「iPhone」を提供へ

Alfred Ng (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2019-08-09 10:46

 Appleの「iPhone」は「iOS」とともに、閉じたエコシステムを形成していることで知られている。こうしたエコシステムは、20億人のユーザーにセキュリティをもたらす一方、脆弱性を探すセキュリティリサーチャーらにとっては呪うべきものとなっている。同社は今回、セキュリティリサーチャー向けに特別仕様のiPhoneを提供し、ハッカーの持つ力を認め、借りていこうとしているようだ。

提供:James Martin/CNET
提供:James Martin/CNET

 Appleのセキュリティ担当責任者であるIvan Krstic氏は、ネバダ州ラスベガスで開催された「Black Hat USA 2019」で新たなプログラムを発表したようだ。このプログラムで使用されるiPhoneは、ショップで購入できる製品とは異なっており、iOSとAppleのハードウェアに潜んでいる可能性のあるセキュリティ脆弱性を見つけようとするリサーチャー向けに特別に開発されたものだという。

 Appleはこの特別なiPhoneを用いた取り組みを「iOS Security Research Device Program」(iOSセキュリティリサーチデバイスプログラム)と呼んでいる。このiPhoneの入手申請は誰でもできるが、Appleが引き渡すデバイスの数は限られているため、適切なリサーチャーの手にのみ渡ることになるとしている。

 このデバイスには高度なデバッグ機能が搭載されているとKrstic氏は説明した。

 また、Appleは米国時間8月8日、バグ報奨金プログラムへの変更も発表した。同社は現在、カーネルコードの実行につながる恐れがあり、被害者によるクリックも不要な、持続的な脆弱性に対して最大100万ドルを支払うとしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. ビジネスアプリケーション

    インシデント対応における生成AIの活用に脚光、調査レポートから見るインシデント管理の現状

  5. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]