営業スタイルの変遷で見えてくる--「課題解決」で選ばれる時代は終わった - (page 2)

今井晶也 (セレブリックス)

2019-08-22 06:45

これからの営業スタイル--営業 3.0+α=営業 4.0

 このインサイトセールス、一見無敵そうに見えるものの問題があります。

 それは、属人的になりがちでトップセールス以外に真似しづらいという性質を持っています。スキルによって再現力にバラツキがある…という問題を抱えていました。

 この問題を解決する注目の手段が「テクノロジーの活用」と「セールスイネーブルメント」の考え方です。

 属人性とはつまるところ、感覚や人間性に頼る活動です。これが必ずしも悪かと言われるとそうではありません。むしろ、営業パーソンからオリジナリティや創意工夫を除くと、モチベーションが上がらず仕事にやりがいを持たせられなくなります。

 しかしテクノロジーの力を使えば、この営業のやり方を効率的にするためのサポートができたり、無駄な行動やムラを抑止できる可能性があります。インサイトセールスで重要な、仮説の立て方や提案力をテクノロジーの力で平準化することができるのです。

 そして最近注目されている、セールスイネーブルメントという考え方があります。これは営業活動の成果を最大限高めるための、営業改革や組織改革の取り組みを指します。営業行為そのものはもちろん、教育やプロセス施策や実験も一気通貫してマネジメントしていこうという概念です。

 そしてテクノロジーやセールスイネーブルメントのキーとなるのがデータです。こうしたデータを取り入れた営業活動のことは「データドリブンセールス」と呼ぶことができます。

 営業はデータを取り入れていくことで、感覚的なものからインテリジェンス(知的)な取り組みへと変革していくのです。本コラムではテクノロジーやイネーブルメントの取り組みを通した様々なケースを紹介したいきたいと思います。

 インサイトセールス+データ(知性)を取り入れた、データドリブンセールスな世界観、“営業 4.0”の幕開けはもうそこまで来ています。

今井晶也
セレブリックス 事業推進室室長
セレブリックスの主席エバンジェリストとして、営業に関する公演や講義を全国で実施。営業組織に関するテーマから、具体的な営業テクニックやコンテンツ作りまで専門領域は多岐にわたる。
代表的な取り組みとして、長野県中小企業振興センターとともに【製造業に向けた提案型営業の習得を目指した講義】や宣伝会議が主催する【見込客を顧客に育成するセールスコンテンツ講座】などで講師活動の実績がある。

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