ガートナージャパンは8月20日、日本企業のITリーダーを対象に実施した、IT部門によるアウトソーシング戦略に関する調査の結果を発表した。
これによると「開発・運用の委託先パートナーはIT戦略上の重要な存在である」と回答している企業の割合が全体の85%に上っているが、一方で「現在の委託先パートナーに満足している」割合は42%だった。
IT施策遂行における委託先パートナー の位置付け
この調査は、2019年3月にウェブ経由で実施された。対象は国内のITユーザー企業においてITシステムの構築、導入、保守、運用およびサービスの委託先の選定に関与している担当者で、有効回答企業数は412社。
また今後の外部委託範囲については、「設計・開発・実装」と「運用・保守」だけでなく、上流工程である「戦略・企画立案」においても、増やしていく意向が見られる。
今後の外部委託範囲に対する意向
委託先パートナーへの満足度についてガートナーは、アウトソーシングを活用する中で、期待した成果が見い出せないか、あるいは長期にわたるアウトソーシングによって「パートナー依存」に陥っている現状があるのではないかとしている。
また上流工程に委託範囲を拡大する傾向については、今後ユーザー企業はパートナーシップの在り方を再構築していく必要があるとし、そのためには大手ITベンダーだけでなく、多彩なソーシングオプションの可能性を追求していくことが求められるとした。また同時に、こうした多様なパートナーの能力を最大限引き出していくためには、要件や課題が明確になった取り組み(モード1)、失敗してもそこから学習していくイノベーション活動に近い取り組み(モード2)など、モードごとに切り分けたベンダー管理能力や、契約交渉力の強化に対する取り組みが欠かせないとした。