DNP、「購買行動分析サービス」を提供--顧客の人物像を個人単位で明確化

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2019-08-23 10:06

 大日本印刷(DNP)はコレクシアと共同で、生活者の体験と購買行動の関連性やマーケティング課題を把握できる独自の購買行動分析サービス「価値観CJM」の提供を開始すると発表した。メーカーや金融、小売業などに提供し、2022年度までに累計で1億円の売上を目指す。利用料金は調査設計・モニター数などにより個別見積り。

 このサービスは、定量的な手法で生活者の潜在意識を把握できるDNPの「価値観クラスター」と、アンケート調査により生活者一人ひとりの行動プロセスをカスタマージャーニーマップ(CJM)として自動生成するコレクシアの「消費者行動図鑑」を組み合わせる。

 価値観クラスターは、DNPが社会状況やトレンドによって変化する人々の価値観を「ライフスタイル・感度」「メディア」「コミュニケーション」に関する10の因子で定義・分類したもの。人々の基本的な特徴を把握できる5つの基本セグメントと、業界別の特性や施策等のデータを組み合わせることで、より詳細な特徴を把握できる21の応用セグメントに分類している。DNPでは、2009年から毎年1回、20〜60代の男女約1万5000人に、基本的な価値観やメディアとの接触、ライフスタイルや買い物・食に対する意識など、約1000項目の調査によって構築した「価値観データベース」を更新している。

 消費者行動図鑑は、インタビューの質を損なわないようにネットアンケートの設問を設計し、実際の消費生活者から得たデータをもとにカスタマージャーニーマップを自動で作成したもので、CJM作成に関するに期間を短縮し、省コストに抑えることができる。

 従来のCJMは、性別や年齢などの属性ごとに設計されることが多く、価値観と行動の関連性などを示す個々の顧客像までは捉えることができなかったが、同サービスでは、DNPの価値観クラスターを「消費者行動図鑑」のアンケート回答者一人ひとりと関連付けることで、個人単位のCJM(パーソナルCJM)を自動生成する。このパーソナルCJMを「価値観データベース」 と関連付けることで、顧客の人物像(ペルソナ)を明確にし、コミュニケーション施策の企画・開発、価値観クラスターごとに最適化したDMの送付やデジタル広告配信等が可能になる。

CJMの自動生成と分析の仕組み
CJMの自動生成と分析の仕組み(出典:DNP、以下同)

 生活者一人ひとりと関連付けられるパーソナルCJMは、データから想定されたペルソナごとに、アンケート回答による定性的な情報を1枚のシート上に自動的に表示する。また、企業の製品・サービスに対する顧客ロイヤリティーを数値化し、感情解析手法を組み込んで点数化した「エモーショナルカスタマージャーニーマップ」とも連動し、生活者の購買前後の課題を定量的に評価することも可能だ。さらに、定性情報では、価値観クラスターごとに関連付けられた製品・サービスのブランドに関する認知・理解状況や体験エピソード、代替品を利用した場合の要因などを調査することで、該当するブランドに対する人々の受け入れ方を明らかにする。

価値観クラスターの例:「わが道を行く自由人」(左)と「家族想いで自然体なフレンドリー型」(右)
価値観クラスターの例:「わが道を行く自由人」(左)と「家族想いで自然体なフレンドリー型」(右)

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