企業はROIだけでなく「ROX」の改善に注力せよ - (page 2)

松岡功

2019-09-05 07:00

 CXとEXを融合させる、とはどういうことか。レポートでは「EXの改善がCXの改善を導く」として、調査結果を交えながら以下のように説明している。

 ――グローバルにおいて実店舗での買い物体験を最も改善するものは「取り扱い商品について深い知識を持った店舗スタッフがいること」との回答が34%で上位となり、日本においても42%と高いポイントとなった。加えて日本では「店舗のデザインや雰囲気が楽しいこと」が同率で1位となり、「店内で商品をスピーディーかつ便利に探せること」が37%で3位だった。選択肢の中にはデジタルによる便利さや体験なども含まれており、「実際にモバイル決済で買い物代金を支払った」との回答が前年の15%から2018年には31%と16ポイント上がっているものの、日本の上位3つはすべて店舗体験を豊かにする内容であり、テクノロジーを用いた便利さ、体験などを上回る結果となった。――

 こうしたことから、「消費者はテクノロジーの利用が増えている一方で、これまでの伝統的なサービスのある店舗も求めていることが分かる。これらのサービスを作り出すのは従業員の意識、知識であり、よってその向上は今後も欠かせない。それを効果的に進めるには、従業員自身の満足度の向上が重要であり、企業は顧客だけでなく、従業員の待遇を慎重に考えながら運営することが求められるだろう」との見解を示した。

 要は、ROXの改善へEXあってのCXだと肝に銘じよ、ということか。CXという言葉はかなり浸透したように感じるが、ROXやEXはまだあまり知られていない。だが、ベースは同じエクスペリエンスだ。PwCが説くように、今後はこの2つの言葉も、企業が強く意識して改善を図っていくように、メディアとしても注視していく必要がありそうだ。

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