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沖データ、製造現場の最適化に量子コンピューター--作業員の移動距離を28%短縮

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2019-09-10 17:32

 沖電気は9月5日、プリンター事業会社である沖データのLED統括工場の製造ラインにおける半導体製造装置の最適配置にD-Waveの提供する量子コンピューターを適用したと発表した。その結果、作業員の移動距離を平均28%短縮する結果を得ることに成功した。

 量子コンピューターは、量子力学的な状態(0と1の重ね合わせ)を情報処理の単位(量子ビット)として利用するコンピューターで、汎用的な演算が可能なゲート型と、組み合わせ最適化問題に特化したアニーリング型に分類できる。D-Waveはカナダの企業で、2014年に量子アニーラと呼ばれる組み合わせ最適化問題に特化した量子コンピューターの商用リモートアクセスサービスを世界に先駆けて開始している。

動線最適化の概要
動線最適化の概要(出典:沖電気)

 沖データのLED統括工場では、製造工程の異なる複数の製品を、数十〜数百台におよぶ多種類の半導体製造装置を共用し、装置間を作業員が移動して製造している。そのため生産性向上のためには、装置の配置を最適化し、作業員の移動距離(動線)をできるだけ短くする必要があった。

 装置の台数および種類が多くなると、その組み合わせのパターン数は爆発的に増加し、今回検討の対象としたケースでも、10の100乗を優に超え、装置の設置場所や重複する装置の選択方法など、複雑な制約条件も考慮しなくてはならなかった。そのためスーパーコンピューターのような高性能な従来型コンピューターを用いても、その全てを計算して最適な装置配置を算出することは現実的には不可能だった。

 このテーマへの量子アニーラの適用は、研究的な視点からは、算出した最適配置の効果を定量的に観測しやすいという利点があるが、問題を効率的に解くためには、量子アニーラと製造現場の両者の制約条件に適した新しいアルゴリズムが必要だった。

 そのため、LED統括工場のメンバーも参加して、製造工程および製造数の異なる製品2種を同一工場内で製造するときの条件をモデル化し、計算アルゴリズムを独自設計することに成功した。

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