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IIJと台湾のKiwitec、LoRaWANソリューションを国内展開

渡邉利和

2019-09-24 10:45

 インターネットイニシアティブ(IIJ)と台湾のKiwi Technology(Kiwitec)は9月19日、IoT活用に向けた通信技術「LoRaWAN」の展開において協業すると発表した。

両社の協業体制(出典:IIJ)
両社の協業体制(出典:IIJ)

 LoRaは、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれるIoT向け無線通信技術の1つと位置付けられる。免許不要のISMバンドのうち、920MHz帯を用いた周波数変調方式の名称で、比較的遠距離まで届き低消費電力だが、通信速度は遅いという特徴がある。LoRaを利用しつつも、デバイス間の通信プロトコルや制御を独自仕様で行う「Private LoRa」も利用されているが、LoRaWANはLoRa Allianceが標準仕様を定めており、認定機器(LoRaWAN Certificated)間で相互接続が可能となる。

 Kiwitecは、台湾で唯一のLoRa専業の企業だといい、LoRaWAN対応の機器を多数ラインアップしている。今回の協業では、まずはIIJがKiwitecのLoRaWAN製品の国内販売を開始する。

IIJ IoTビジネス事業部 副事業部長 兼 プロダクト本部製品開発部長の齋藤透氏
IIJ IoTビジネス事業部 副事業部長 兼 プロダクト本部製品開発部長の齋藤透氏

 説明を行ったIIJ IoTビジネス事業部 副事業部長 兼 プロダクト本部製品開発部長の齋藤透氏は、同社が農業IoTなどで実際にKiwitecのLoRaWANデバイスを既に活用しているとした。現在さまざまなベンダーがIoT向けにPrivate LoRa製品を展開し始めているが、相互接続ができないことから、ゲートウェイが同じ場所に幾つも並ぶことになるような無駄が生じているという現状を指摘し、LoRaWANの普及を推進することで、こうした無駄を回避できるという展望を語った。

 今回導入されるゲートウェイ機器は、IIJの要望に基づいてカスタマイズされたもので、仕様策定に当たっては同社の農業IoT実証実験などの成果が反映されたものだという。具体的には、一般にクラウド上に構築されることが多い「Network Server」の機能をゲートウェイ機器に実装した「Built-in Server」となっていることと、ゲートウェイ機器の遠隔管理を実現するために、同社がルーターの遠隔管理システムとして独自開発した「SACM(Service Adapter Control Manager)」をゲートウェイ機器に実装した点だ。Network Serverをビルトイン化したこともあって、コストは以前よりも大幅に下がっており、導入しやすくなっているという。

 なお、齋藤氏はLoRaの技術的な特徴について、「大量のデータ送受信には向かない」「見通しが良ければ10km以上到達する」「適当に“ポン”と置いても1kmぐらいは簡単に届く」と紹介した。従来は長距離に向く規格として紹介されることが多かったLoRaについて、1kmほどの範囲で使うとメリットが大きいとして、他の規格とのすみ分けを図るとした。

キーウィテクノロジー 代表取締役社長のPeter Lin氏。同氏が紹介しているデバイスのうち、黒い方が屋内向けゲートウェイで、白い方はセンサーデバイス。センサーにはマグネットが付いており、金属表面(ここではゲートウェイの天板)に貼り付けるなどして簡単に設置できるという
キーウィテクノロジー 代表取締役社長のPeter Lin氏。同氏が紹介しているデバイスのうち、黒い方が屋内向けゲートウェイで、白い方はセンサーデバイス。センサーにはマグネットが付いており、金属表面(ここではゲートウェイの天板)に貼り付けるなどして簡単に設置できるという

 IIJでは、エンジニア向けに開催しているプライベートの講演会「IIJ Technical WEEK」の2016年に開催した会で、千葉県の九十九里浜の見通しが良い場所にゲートウェイを設置して到達距離を測定する実験の結果を紹介。この際の結果では、見通しが良い場合には28km地点でも通信可能で、1.2km地点では見通しがなくても問題なく通信できたという。

 こうした結果もあり、ビル内での通信などの1km以内という条件であれば壁や床といった遮蔽(しゃへい)物を越えて到達するため、ビル内のさまざまな場所に設置したセンサーからのデータを1カ所で収集するといった使い方ができるという。同社では、まずKiwitecのゲートウェイ製品やセンサーなどの販売から開始し、今後は機器のレンタルやソリューション構築なども検討していくとした。

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