業務フローに組み込む--「Slack」を使い回すNECネッツエスアイとメルカリ

阿久津良和

2019-09-25 06:45

 ITを取り巻く環境は常に変化し、企業は変化に対応する即応性が求められる。この環境下でチャットツール「Slack」が3つの視点からビジネスコラボレーションハブとして役立つと強調するのは、Slack Japan ビジネスグロース・マネージャー 生垣侑依(いけがき・ゆい)氏。

 同氏は「社内のさまざまなワークフローを集約し、既存ソフトウェアへの投資効果を最大化する。そして、組織のアライメントとアジリティを推進できる」と表現した。

Slack Japan ビジネスグロース・マネージャー 生垣侑依氏
Slack Japan ビジネスグロース・マネージャー 生垣侑依氏

 現場の利便性向上を目的にボトムアップ型で普及してきたSlackだが、生垣氏は「企業戦略を加速するためには、『ビジネスゴールの定義』『協力部門との合意』『戦略策定』『ユースケース策定』『効果測定』の5ステップを定義し、ビジネスゴールを達成させる」取り組みが欠かせないと語る。

 このアプローチを実践したのが、NECネッツエスアイとメルカリだという。9月17日に開かれたイベント「Frontiers Tour Tokyo」で「企業戦略を加速するSlackの活用事例」と題したセッションでメルカリとNECネッツエスアイが登壇して、実際のところを語った。

NECネッツエスアイ 代表取締役執行役員社長 牛島祐之氏
NECネッツエスアイ 代表取締役執行役員社長 牛島祐之氏

 働き方改革の文脈で2007年からオフィス改革に取り組んできたNECネッツエスアイは、2017年にテレワーク制度を導入し、2018年からはオンライン会議サービス「Zoom」を使って社内外を通じた共創ワークに取り組んでいる。昨今のIT系企業はグローバルの厳しい競争にさらされているが、競争に打ち勝つために同社代表取締役執行役員社長 牛島祐之氏は「イノベーションを日常化させるため、企業の仕組みと社員の労働環境の両軸を回さなければならない」と2つのアプローチを提唱した。

 2018年4月にスタートした事業創造実験プロジェクトは、「新しいアイデアを結集して事業を創造」「圧倒的なスピードで意思決定」を実現するためにSlackとZoomを採用。「スマートフォンによる情報共有や承認プロセスを場所に捕らわれず実行できる。新アイデアや人材の発掘に成功した」(牛島氏)と振り返った。それまで約300ライセンスで運用していたSlackを2019年8月に約5000ライセンスに拡大。全社員導入を決定した。

 牛島氏は「メールではできないことが、Slackならできる」と効果を強調する。リアルタイムの応答やスマートフォンで完結できる業務、自由に飛び交うアイデアを通じて新規事業や人材発掘につながるため、現在同社は社長が率先して運営する「#ushijimaチャンネル」を運用している。

 自由闊達を社員に推奨した背景から、自身が挑んだ富士山登頂をZoomのリアルタイム配信でSlackに投稿したところ、役員から担当までさまざまなコメントがチャンネルに寄せられ、「社内コミュニケーションが劇的に変化した」(牛島氏)とコメントした。

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