近年のMicrosoftは、ビジネスとして利益になるLinuxを愛しているように見える。しかし、フリーソフトウェアのパイオニアであるRichard Stallman氏は、今でも、Microsoftは過去の経営陣がかつてオープンソースに対して発した暴言を撤回し、公の場で謝罪すべきだと考えている。
Microsoftの前最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、かつてLinuxを「がん」呼ばわりし、GPLを批判したことがあった。また、以前Windowsの責任者であったJim Allchin氏は、オープンソースについて、知的財産を殺す存在だと述べたことがある。
GNUプロジェクトの創始者であり、長年Microsoftを批判してきたStallman氏は9月、Microsoft Researchで講演を行い、多くの人を驚かせた。
同氏は先週、講演を行ったことが「一定の憶測やうわさを生んでいる」ことを受けて、Microsoftの従業員に対して行った講演の内容を説明するブログ記事を発表した。
同氏が公表したMicrosoftに対する10項目の提案のリストの中には、「Microsoftが2000年代にコピーレフトに対して行った攻撃を公に撤回すべきだ」というものも含まれている。
しかしStallman氏は、まず記事の冒頭で、同氏のMicrosoftやフリーではないソフトウェアに対する態度を和らげたのではないかという意見に対して反論している。
「Microsoftが私を講演に招待したのは、私をフリーソフトウェアの大義から遠ざけようとしてのことだと考えている人がいるようだ。一部には、それが成功したのではないかと恐れている人までいる。しかし、私の講演を聴いたMicrosoftのスタッフは、そんなことは絶対に起こらないと理解したはずだ」とStallman氏は述べている。
同氏はこの記事の中で、同じもののように思われがちなオープンソースソフトウェアとフリーソフトウェア運動の違いについても強調している。
10項目の中には、想像を絶するものもある。WindowsのソースコードをGNU GPLに準拠してリリースすべきだというものだ。ただしStallman氏によれば、この提案は見かけほど非現実的ではないという。
「難しい一歩であることは分かっているが、私がその場で聞いたことから判断すると、完全に不可能というわけでもない」と同氏は述べている。