日立、「Lumada」関連のITインフラ・サービス群を刷新

藤本和彦 (編集部)

2019-10-15 15:30

 日立製作所は10月10日、デジタル基盤「Lumada」を支えるストレージ・サーバー製品とクラウド関連サービス群の強化を発表。エッジからクラウドまで柔軟な構成が可能なコンポーザブルなITインフラ製品・サービス群へとラインアップを刷新した。

 同社は、情報技術(IT)や制御技術(OT)などで発生するデータから新たな価値を創出し、企業のデジタル変革(DX)を加速させるためのプラットフォームとして、Lumadaを中核とするビジネスに力を入れている。その基盤を支える製品・サービス群において、システム基盤の刷新、デジタル対応商材の強化、クラウド連携の強化を図った。

Lumada関連のITインフラとサービス群を刷新
Lumada関連のITインフラとサービス群を刷新

 ストレージ・サーバー製品では、スケールアウト型フラッシュストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform(VPS) 5000シリーズ」とエッジアナリティクスコンピューター「HA8000Eシリーズ」を市場に投入する。VPS 5000は同日、HA8000Eは10月31日に提供を開始する。

 VPS 5000は、新アーキテクチャー「Hitachi Accelerated Fabric」を採用し、多数のコントローラー間でのデータ転送を効率化。データアクセス性能を従来比で最大2.3倍に向上させた。従来のSASドライブと高速なNVMeドライブの混載が可能で、さまざまなワークロードが発生する環境でも用途に応じてドライブ構成を柔軟に変更できる。また、コンテナー環境との連携機能「Hitachi Storage Plug-in for Containers」でデータの永続性が確保され、コンテナーを用いたアプリケーションを本番環境へ容易に移行できるという。

 データ保護の観点でも、Accelerated Fabricが2重障害の発生時でもデータアクセスを維持する機構を備えている。万一の障害発生時でも自動的に冗長性を回復するとし、99.999999%(エイトナインズ)の可用性をうたう。管理インターフェースの堅牢化や暗号化機能の強化なども図られており、データの漏えいや改ざんを防止する。

Hitachi Virtual Storage Platform(VPS) 5000シリーズ
Hitachi Virtual Storage Platform(VPS) 5000シリーズ

 IT関連費用の80%が維持運用コストだと言われている。そうした管理負担を削減して、デジタルビジネスを推進するため、運用管理ソフト「Hitachi Ops Center」を新たに開発した。人工知能(AI)による稼働監視や予兆検知、運用自動化が特徴で、API連携によってハイブリッドクラウド環境の管理も可能としている。

 エッジアナリティクスコンピューターのHA8000Eは、多様なIoT端末のインターフェースや標準プロトコルをサポート。製造現場のデータや監視カメラの映像・画像などを収集し、工場や店舗などのエッジ側で処理することが可能になる。クラウドへのデータ転送料を減らせるほか、タイムリーな画像処理やデータ分析といったニーズに対応する。なお、コア側のソリューションとしては、「Hitachi Software Defined Storage(SDS)」を用意しており、大量データを集めたデータレイクの構築などにも対応する。

 クラウド関連サービスの拡充では、ストレージやサーバーをプライベートクラウドで利用する月額課金サービス「IT基盤ユーティリティサービス」(10月31日提供予定)、IT環境のリソース状況を一括して可視化し、AIで最適な構成を予測して提案する「ITリソース最適化支援サービス」、日立製ストレージをEquinix IBXデータセンターに設置してパブリッククラウドと高速回線でつなぐ「ストレージボリューム提供サービス on Equinix IBX DC」(2020年1月提供予定)を新たに提供する。

日立製作所 ITプロダクツ統括本部 事業主管の位守弘充氏
日立製作所 ITプロダクツ統括本部 事業主管の位守弘充氏

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