これらの衝撃的な数字は、従業員の期待とその現在の職場環境との間にある巨大なギャップを物語っています。
積極的に関与する、あるいはさらには熱狂的な従業員を得る上で最大のハードルは劣悪な従業員エクスペリエンスです。このエクスペリエンスは複雑なワークフロー、レガシーIT、単一目的のためのクラウドサービス、サイロ化された情報が組み合わさることによって低下します。企業が競争力を維持するためには、この状況に直ちに対処することが求められます。
ネットワークが遅い、あるいは「OK」ボタンをひとつ押すだけのためにさまざまなインターフェースを経由しなければならない、あるいは大量のデータリポジトリから求める情報を探すため何時間も費やさなければならない場合などはすべて従業員の生産性を引き下げます。
しかし人々の大半は生産性を高めたいと望んでいるのです。
迅速、良好、かつスムーズなエクスペリエンスの提供は、企業が生産性を高めるための最も効果的な手段です。企業が行える最善のことは従業員を顧客のように扱い、シームレスで労力を要さないワークフローを保証するため、技術的に可能な限り最も優れたユーザーエクスペリエンスを提供することです。
これがインテリジェントなワークスペースが不可欠である理由です。
このようなワークスペースは消費者スタイルのシンプルさをエンタープライズITの世界にもたらし、高度な柔軟性や使いやすさ、インテリジェントな自動化を実現することにより、従業員がいつでもどこでも、また好みの機器を使って働くことを可能にします。また同時に、このようなワークスペースは消費者向けアプリケーションやサービスでは目に見えて欠落している、エンタープライズレベルのセキュリティを提供することによって極めて重要な役割を果たします。
すべてのアプリケーションとデータを、ひとつに統一された、使いやすい、またシングルサインオン(SSO)のインターフェースから提供し、多くの場合にはユーザーに分かりづらく混乱を招く数々のログインやパスワードを回避することによって高度なセキュリティが確保されています。
最も重要なこととして、この革新的なテクノロジーは機械学習と人工知能(AI)を使ってルーチン作業のワークフローを簡素化し、それによってユーザーのフラストレーションを最小限に抑え、ビジネスプロセスを高速化し、また生産性を高めます。これは1日の時間の多くを奪う、ルーチン作業の多くに必要な時間を短縮します。
従業員にとって、このようなワークスペースの展開は自動車から飛行機に乗り換えたかのように感じられます。自動車はたとえばシドニーからメルボルンへ行く時には役立ちます。飛行機を使えばはるかに早く到着でき、またさらに途中で仕事を片付けることもできますが、自動車を運転していては不可能です。
このようにしてインテリジェントなワークスペースは従業員に翼を与えます。人々の貴重な、より生産的な作業に使うことが可能な時間を解放します。
- 永長純(ながおさ・じゅん)
- シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 本部長
- 前職ではアジア太平洋地域を担当し、様々な国の企業にビジネスやコスト、人の観点から提案を実施。その経験を生かし、日本企業が国内とグローバル競争で勝つためにワークスタイル変革を含めたソリューションを提供するのがミッション。
- 小林伸睦(こばやし・のぶちか)
- シトリックス・システムズ・ジャパン アジア・パシフィック・ジャパン事業推進本部 ソリューション・推進マネージャー兼エバンジェリスト(総務省テレワークマネージャ)
- イベントやセミナーなどの活動を通して働き方やワークスタイルの変革を推進しながら、「デジタルワークスペース」ソリューションのエバンジェリスト活動を行う。新しいテクノロジで市場の開発を目指す。