AWSやAzureと接続可能な「HPE Cloud Volumes」--ベンダーロックインを回避 - (page 2)

河部恭紀 (編集部)

2019-10-30 07:50

 「AzureやAWSにデータをいったん放り込むが、一番多いのは、AWSを選択した時にはAWSが最善の選択だと思えるが、その後になってAzureからもっと良いサービスが出てきたりすること」と現在のパブリッククラウドについて日本法人ハイブリッドIT事業統括データプラットフォーム技術本部でエバンジェリストを務める高野勝氏は述べる。

高野氏
高野氏

 「動画の解析をするならGoogleのエンジンが使いたい。AWSは、AmazonがECサイトを持っているので、とても良い購買分析のエンジンを持っている。Microsoftは『Office』との連携が得意」というようにそれぞれのサービスには特色があるが、「一番良いものを使いたいという時に、データを取り出すのに時間が非常にかかる。もしくは、データを入れる時は無料だが、出すときにコストがかかったりする。このようロックインを回避したい」(高野氏)

 Cloud Volumesは、北米と欧州ですでに提供されているが、日本でも提供可能となったことについてPrakash氏は、「日本はキーマーケット」と述べるとともに、選択した場所に関係なく、単一のGUIとAPIで同じ価格だと説明した。

 DockerやKubernetesといった主要コンテナプラットフォームにも対応し、ハイブリッドクラウドアプリケーションの移行と有効化が簡単に実行可能となっているという。256ビット暗号化とセキュリティ制御により、内部統制を保証する「SoC 2 Type 1」と米国での医療分野の法規制である“HIPAA”に対応している。

 Cloud Volumesを支えているのは「HPE Nimble Storage」だと高野氏。そのため、高い可用性と耐久性があり、エンタープライズグレードの信頼性を備えているという。

 スナップショットやバックアップ、クローンは、いずれも短時間でコピーできるため、データ保護の実行回数を増やせるようになる。また、フェイルオーバーとフェイルバックの機能を使用することで、手動によらずにオンプレミスからクラウドに、またはクラウドからオンプレミスにデータを簡単に移行できる。

 スナップショットを作成した時点では課金せず、変更差分が発生した時のみ課金されると高野氏は説明する。クローンの作成も課金は変更差分が発生した時のみになるという。

 また、Nimble StorageからCloud Volumesへのレプリケーション機能も提供していると高野氏。初回は、すべてのデータに対して実行されるが、2回目以降は、変更差分だけがCloud Volumesへ送られると説明する。

 これにより、「たとえば、工場にNimbleを置いて、IoTのセンサーデータを集めてCloud Volumesへ送ると、好きなクラウドの分析エンジンを使うということが可能となる。そして、分析結果は逆向きに戻せるので、工場で結果を使うことができる」と高野氏は述べる。

 Cloud Volumesを使ったクラウドストレージの構築は、必要なストレージ容量(GB)、性能(IOPS)、オプション機能、そして、接続するAWSまたはAzureのインスタンスを指定することで可能だ。課金される金額はこれらの指定によって変わる。

HPE Cloud Volumesを使ったストレージの構築
HPE Cloud Volumesを使ったストレージの構築

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]