米Volterra(ボルテラ)は11月5日、マルチクラウドやエッジサイトにまたがる分散型アプリケーションを導入、管理できる「VoltStack」などを発表した。同社は5月に日本法人を設立。提供するソリューションはサイトライセンスもしくは利用量に応じた課金システムを検討中。現時点では早期顧客を対象に検証を重ねており、2020年度の一般提供を目指している。
創業2年を過ぎたVolterraはシリコンバレーに本部を構え、インド・バンガロールでテスト、チェコ・プラハでソフトウェア開発と各国に拠点を持つIT企業。コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)以外にもMicrosoftのベンチャー企業部門であるM12から出資を受けている。
Volterra COO Daniel Hua氏
Volterraはマルチクラウド&エッジ環境が抱える課題を「分散型クラウドソリューション」で解決しようとしている。現在主流となりつつあるマルチクラウド&エッジ環境について、同社の最高執行責任者(COO)のDaniel Hua氏は「ヘトロジニアス(異種・異質)プラットフォームが広まり、パフォーマンスやセキュリティ&プライバシー、管理ツールの非統一に伴うオペレーションの負担が顕在化した」と解説する。
同社が提示した調査結果によれば、「エッジとパブリック/プライベートクラウド間で一環した運用経験の重要性」という問いに約9割が賛成を示している。
他方で多くの企業が自社データセンターからパブリッククラウドにビジネス環境を移行させているが、ベンダーロックインのリスクを免れることは難しい。「ある企業はAWS(Amazon Web Services)と契約したが、とある要因でサービスを停止され、破産に至った例がある」(Hua氏)など、企業がマルチクラウドを選択するのは当然の流れだ。
社内業務をOffice 365で処理するのであればMicrosoft Azureとの親和性が高く、Gmailを含むG Suiteを使うのであればGoogle Cloud Platform(GCP)の方がスマートだ。
「クラウドによって使用するツールは異なる。自社データセンターなら独自管理ツールを用いるものの、(マルチクラウド時代になると)エンジニアは複数のツールを学び、学習コストが発生する」(Hua氏)
このような課題を解決するのが、Volterraのソリューションであると強調した。
Volterraソリューションの展開イメージ(出典:Volterra)