竹中工務店、KDDI、ヤマトプロテックは、竹中工務店東陽3丁目計画作業所で「建設現場向けIoT火災報知システム」の実証実験を兼ねた避難訓練を行った。9月13日に実施し、その結果を11月5日に公表した。これによると、発報から避難を開始するまでの時間が0分で、現場関係者全員の避難が約5分で完了したという。
避難訓練では、発報と同時にシステムから同作業所内の竹中工務店作業所員と協力会社職長に、メールで避難指示や避難経路を通知。併せて、所内スピーカーから避難経路もアナウンスした。消火担当や誘導担当への初期対応を自動で通知することで、より迅速な初期対応も可能となる。
避難経路を通り避難する作業員(左)と避難が完了した様子(出典:報道資料から)
同システムは、火災発生時に避難経路を選択して、メールや場内スピーカーで自動通知する機能を持つ。竹中工務店による独自のIoT分電盤、KDDIのIoTクラウドシステム、ヤマトプロテックの火災報知制御モジュールなどの応用により実現したもので、火災報知器をネットワークにつなぎ、クラウドシステムと連携させることで、火災発生カ所に応じて避難経路を選択し、場内スピーカーにより自動でアナウンスする。
従来方式との比較
IoT分電盤は電波の届きにくい地上30階以上や地下の作業場でも通知を受けとることが可能にする。PLC (電力線通信) を活用し、仮設電源線のみでネットワークにつながるので設置するだけでWi-Fiスポットになる。
同システムを活用することで、建設現場の全作業員に向けて一度に火災発生を通知でき、より迅速な初期対応や避難を可能になる。その場にいない作業員や内勤の事務職員へもメールで通知するので、作業所が無人となる夜間などにも有効だ。