Microsoftは「Office」の「iOS」版と「Android」版のデザインおよび機能の刷新に取り組んでいる。同社は米国時間12月5日、これらのアプリを同社の「Windows」およびウェブ向けのデザイン言語とフレームワークである「Fluent」に適合させている方法など、取り組みの一部を明らかにした。
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筆者がとりわけ興味深く感じるのは、同社がMicrosoft Researchによる「マイクロ生産性(microproductivity)」の取り組みの一部を、モバイル機器の生産性に関連した成果に取り入れるべく、準備を進めているようにみえる点だ。
Microsoft Research主任研究者のJaime Teevan氏は、1つのアクションを「マイクロタスク」に分割するという概念を提唱している。例えば、文書全体を書こうとする代わりに、1段落を書くといった具合だ。Microsoft Researchは少なくとも2015年からマイクロタスクに注力しているが、商用製品で活用するための取り組みを始めたようだ。
Microsoftは米国時間12月5日のブログ記事で、Microsoft Officeのモバイル版にどのような形でマイクロタスクを取り込むかは明らかにしていない。唯一の言及は、以下の通りだ。
「『Fluid』で全く新しいモバイル体験を作り出すのが楽しみだ。Fluidの動的コンポーネントはリアルタイムで更新され、協業を容易にするため、マイクロタスクを促進できる」(同社)
「Fluid Framework」(デザイン言語のFluentと混同しないように)は、Microsoftの新しい開発プラットフォームでありドキュメントモデルで、「共有されたインタラクティブなエクスペリエンス」の提供を目指している。Microsoftは11月に、一般向けの公開プレビューと開発者向けの非公開プレビューを提供した。 Fluid Frameworkにより、ドキュメントの共同作業を高速化できるという。またアプリケーションは、絶えず更新される情報をほぼリアルタイムで処理するコンポーネントを利用できるようになる。
さて、話をFluentに戻そう。Microsoftによると、iOSおよびAndroid向けの「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」「OneDrive」をFluentで刷新した。「Yammer」「Teams」「Planner」も「間もなく」同様に刷新する予定だという。これらのアプリを「Fluent化」し、統一されたブランドカラー、ヘッダー、新しいアイコンなどを用意して、Microsoft製品のルック&フィールとiOSもしくはAndroid風の特徴を組み合わせたスタイルを適用する。
ブログ記事によれば、40人以上のデザイナーから成るチームがモバイルUIツールキットを開発した。このツールキットにより、Microsoftのすべてのデザイナーが同じコンポーネントとFluent関連の作業を共有できる。同社のデザインチームは「モバイル生まれのFluent」も設計中であり、「デュアルスクリーン体験や、外部開発者向けのモバイルUIツールキットを開発して、共にモバイルの未来を構築していく可能性などを検討中」だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。