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HPE Discover

Kubernetesベースのコンテナー基盤「HPE Container Platform」--ステートフルなアプリをそのまま稼働

末岡洋子

2019-12-11 07:00

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は11月、オープンソースのコンテナー管理ツール「Kubernetes」をベースとした基盤製品「HPE Container Platform」を発表した。2015年にHP Inc.と分社してからソフトウェア事業を削ぎ落してきたかに見えたが、ハイブリッドクラウドや“アズ・ア・サービス”の実現に向けて製品ポートフォリオを再構築している。HPE Container Platformは、「クラウドに移行できない業務アプリケーションをコンテナー化する初のエンタープライズ向けKubernetes」(HPE幹部)と位置付けられている。

 HPE Container Platformは、11月中旬に米国・サンディエゴで開催された「KubeCon+CloudNativeCon」で発表されたもの。オープンソースソフトウェア(OSS)のKubernetesに、買収したBlueData SoftwareとMapR Technologiesの技術を組み合わせた形になる。

HPE Container Platformの構成要素 HPE Container Platformの構成要素
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 12月初めにドイツ・ミュンヘンで開催されたプライベートイベント「HPE Discover More Munich 2019」で、同社ハイブリッドクラウドソフトウェア担当ゼネラルマネージャーのScott Yow氏は、同製品について「企業が抱えるビジネスクリティカルなアプリケーションをクラウドに動かすという重要な問題を解決できる」と説明した。

 「500以上のデジタル変革に関わった中で、簡単にクラウドへ移行できるアプリケーションがある一方で、一部の伝統的なアプリケーションはデータの管理性や永続性の問題を抱えている」(同氏)

 HPEは、コンテナーをクライアント/サーバー、仮想マシン、クラウドの次の技術と位置付けており、レガシーシステムとクラウドネイティブの両方のアプリケーションをまとめるための共通オペレーションフレームワークとして設計したという。コンテナー化されたアプリケーションは、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジ、ベアメタルを問わず、ハイブリッド環境で動かせるようになる。Yow氏は「一度構築すればどこでも実装できる。オンプレミスとクラウド、エッジのギャップを埋める」と述べる。

 HPE Container Platformを構成する技術のうち、BlueData(2018年末に買収)は人工知能(AI)や機械学習などのエンタープライズアプリケーションをコンテナー化することにフォーカスし、コンテナーベースの「Hadoop」の実装などを手掛けてきたスタートアップ企業だ。BlueDataの出身で現在はHPEのリードデータサイエンティスト兼ディスティングィッシュトテクノロジストを務めるNanda Vijaydev氏は、「複雑かつステートフルで非クラウドネイティブなアプリケーションをクラウドで実装できる」と説明する。

 もう1つのMapRは、HPEが2019年8月に買収した企業で、同社の技術は汎用ハードウェアで稼働するデータファブリックの役割を担っている。アプリケーションがデータアクセスする際に必要なプロトコルも多くサポートしているという。

 基盤技術のKubernetesはOSSであり、さまざまなバージョンに対応する。Kubernetesに標準搭載されたカスタムリソース機能とAPI拡張機能を使ってアプリケーションクラスターを実装・管理できるOSSプロジェクト「KubeDirector」も重要な役割を占める。これにより、「ステートフルなアプリケーションを再設計することなく、Kubernetesで動かすことができる」とVijaydev氏は説明する。

 機械学習パイプラインやデータアナリティクス、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の構築、アプリケーションのモダナイゼーションなどをユースケースとして挙げる。「通常、45日程度かかっていたアプリケーションのコンテナー実装を10分程度にまで短縮する」(同氏)という。

 HPE Container Platformでモダナイズしたアプリケーションは、ポータル「HPE GreenLake Central」で一元管理できる。HPE Container Platformは、同社のハイブリッドクラウドとアズ・ア・サービスの戦略で重要な技術となるが、このプラットフォーム自体も従量課金サービス「HPE GreenLake」で提供される予定とのことだ。

 HPE Container Platformは任意のハードウェアで動くが、GreenLake Centralをオンプレミスで稼働するにはHPE製ハードウェアが前提となる。これは、HPE製品でHPE Container Platformを動かすきっかけになるとVijaydev氏は語った。

HPEでリードデータサイエンティスト兼ディスティングィッシュトテクノロジストを務めるNanda Vijaydev氏
HPEでリードデータサイエンティスト兼ディスティングィッシュトテクノロジストを務めるNanda Vijaydev氏

(取材協力:日本ヒューレット・パッカード)

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