AI市場、2018年度は1.5倍の200億円--保全業務などに活用の画像認識が成長

藤代格 (編集部)

2019-12-20 07:15

 アイ・ティ・アール(ITR)は12月19日、人工知能(AI)の国内主要市場予測を発表した。ビジネス分野で実用化が進む「画像認識」「音声認識」「音声合成」「言語解析」「検索、探索」「翻訳」の6分野を主要AIと定義。2018年度の売上金額は前年度比53.5%増の199億5000万円。技術的な進歩と各種の製品やサービスと組み合わせたソリューションとしての活用が拡大。用途の多様化を背景に各市場大幅に伸びたという。

 いずれも継続的な成長を見込み、2018~2023年度の年平均成長率(CAGR)は26.5%、2023年度には640億円に達するとしている。

 2018年度に最も高い伸びを示した市場は画像認識。製品の外観検査、作業員の安全管理業務などの工場での導入が進んできたが、道路や橋などの社会インフラ、各種建造物の保全業務での利用も急速に進みつつあるという。顔認証や車両の自動運転など、活用シーンが多様化。継続的な導入拡大を見込むとしている。

 次いで伸びた市場は言語解析。コールセンターでの活用を中心に今後幅広い分野に拡大するという。

2017~2023年度、主要AI市場規模推移および予測(出典:ITR)
2017~2023年度、主要AI市場規模推移および予測(出典:ITR)

 ITRで取締役 シニア・アナリストを務める舘野真人氏は「機械学習、とりわけディープラーニングの進化、カメラやドローンといった周辺機器の充実などに伴い、人間の目の役割を担う画像認識技術の実用化がさまざまな産業に拡大している。なかでもこれまで目視だったインフラ、設備の点検作業への活用が大きく進んでいる。また、自然言語処理を中核とする言語解析もコンタクトセンターにおける顧客の声の分析、契約書といった文書管理などの実務への適用も進み、市場の伸びを支えている」とコメントしている。

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