三井情報(MKI)は12月26日、北海道電力に「ESP事業向け遠隔監視システム」を導入したと発表した。同システムは発電機等の設備やセンサーから収集したデータを、MKIが開発したゲートウェイ「MKI Intelligent Gateway」経由で、OSIsoftのデータ管理ソフトウェア「PI System」に収集し、保管・可視化するもの。クラウド基盤にはMicrosoft Azureを使用している。
ESP(エネルギーサービスプロバイダー)事業は、工場やオフィスビル、商業施設などを持つ顧客に対し、エネルギーの調達から設備の運用・保守、管理を含むエネルギー関連業務を統合的に提供する事業で、近年多くの電力会社やガス会社が注力している。今回、北海道電力が導入した遠隔監視システムは、設備やセンサーからのデータ収集と制御において豊富な導入実績のあるMKI Intelligent Gatewayと、収集したデータの分析・可視化に優れたPI Systemを組み合わせることで、北海道電力が顧客向けに提供するESP事業で使用される発電設備の効率的な遠隔監視・分析を支援する。またクラウド基盤にAzureを利用することで、高い拡張性や早期構築を実現したという。
北海道電力のESP事業向け遠隔監視システム概要図(出典:三井情報)
PI Systemは、発電機などの産業用機器のセンサーからデータを集積し、その運用を可視化・デジタル化するシステム。世界の1万9000カ所以上の工場・プラントへの導入実績がある。またMKI Intelligent Gatewayは監視対象設備との柔軟な接続や制御が可能で、MKIはその特徴を生かし空調制御システムの「GeM2」や「太陽光発電監視システム」など省エネに貢献する遠隔監視システムを、Azureを活用したクラウドサービスとして提供している。
MKI Intelligent GatewayとPI Systemを組み合わせた今回のシステムでも、設備制御や省エネへの活用が可能になる。MKIは遠隔監視システムの提供を通して今後も北海道電力のESP事業を支援していくとしている。