ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)は、2008年に顧客の行動履歴や購買履歴に合わせて、顧客一人ひとりに合わせた情報発信を可能にするイベントベースドマーケティング(EBM)の仕組みを構築。2017年には、意思決定を自動化させる目的で「SAS Intelligence Decisioning」を導入し、EBMを発展させたオムニチャネルシステムを構築した。
この取り組みにより、顧客の反応に対して迅速かつ適切にコミュニケーションを取れるようになり、コンタクトセンターと綿密に連携することで、非対面での顧客対応も可能になった。マイカーローン、教育ローン、フリーローンなどさまざまな貸付に対応するため、約50のシナリオを用意。電子メールやSMSなどで適切に応対している。
特に成果が出た施策の1つが離脱の抑止で、顧客行動をリアルタイムに監視することで、離脱に関する情報をコンタクトセンターと共有できる。離脱顧客へのアプローチは、コンタクトセンターが中心になって迅速に行い、約20%の顧客が申込処理に復帰してくれているという。
ふくおかFGでは、デジタルを使って複数のチャネルをまたいだアプローチにより、300万人とコミュニケーションできるようになったとしており、今後も顧客をより深く知ることで、さらに多くの顧客へとリーチを広げたいとしている。