NECファシリティーズ、ルネサスの工場で生産設備のAI/IoT活用の有効性を検証

NO BUDGET

2020-01-17 12:17

 NECファシリティーズは、ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの西条工場と川尻工場において、人工知能(AI)とIoTの有効性を検証する実証実験を開始した。

 従来、手作業で測定していたポンプやファンなどの回転機器の振動・温度データを、センサーを用いて遠隔から継続的に取得する。加えて、新たに実験用のポンプを設置し、疑似的に故障させてデータを収集する。これを学習データとして積み重ね、独自の判定システムを構築する。これらにより、データ収集作業の効率化と故障予兆検出の精度向上を目指す。

 具体的には、設備メーカーが管理していないポンプやファンなどを選定して異常を検知する。また、これまで1カ月~数カ月に1回の周期で測定していた振動・温度データの収集間隔を、1時間に1回へ短縮し、異常検知までの時間を大幅に短縮させる。

 さらに、人による異常検知のきっかけである異音の検出をデジタル化するため、多数のインフラ設備が設置されている機械室に騒音測定器を置いて、早期に異常を検知する実験も同時に実施する。

実験の概要
実験の概要(出典:NECファシリティーズ)

 NECファシリティーズでは、今回の実験での取り組みにより保全作業におけるデータの収集・分析に要する時間を、従来の人手で実施していた場合と比較して約20%低減できると想定している。短時間かつタイムリーに設備の不具合を検知して、製造ラインの緊急停止など生産への影響が甚大なトラブルを予防することにより、より一層の安定稼働に貢献できる。

 また、これまで培ってきた施設の運用管理に関するノウハウとIoTによる異常検知を組み合わせることによって、より適切なタイミングで適切な対策を実施することができ、設備の突発的な停止の防止にも貢献できるとしている。

 今後は、ものづくりの革新を実現するNECのコンセプト「NEC DX Factory」と連携し、2020年度下期には今回の実証実験の結果を受けた商用システムをリリースする予定だ。

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