法人向け翻訳サービスを提供する十印は1月27日、人工知能(AI)翻訳サービス「T-tact AN-ZIN」において、PDFファイルの翻訳機能を追加したと発表した。同社は、この機能を開発する総務省と情報通信研究機構(NICT)のプロジェクトに協力しており、その成果を商用化した。光学文字認識(OCR)機能も搭載しているため、テキストを抽出できないスキャンデータや画像中のテキストも翻訳できるという。同サービスの翻訳精度は原文の複雑さによるものの、TOEIC900点以上の人間が翻訳した場合と同等だとしている。
AIを活用した翻訳システムでは従来、翻訳できるPDFファイルはテキストを抽出できるものに限られていた。さらに、PDFの行末には不要な改行が入るため、翻訳の精度が格段に落ちてしまっていたという。T-tact AN-ZINのPDF翻訳機能は、不要な改行を削除した形でWordファイルに変換し、その上で翻訳を行う。精度は、PDF以外のファイルと同じだとしている。
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T-tact AN-ZINのPDF翻訳イメージ(出典:十印)
使用方法に関しては、ユーザーが翻訳したいファイルを選択してOCR機能の使用の有無を設定。数十秒間で、Wordファイルに変換された翻訳済みのファイルをダウンロードすることができる。
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PDF翻訳の使用画面(出典:十印)
PDF翻訳機能が有効なのは、8MB以内のファイル、2000文まで。2000文を超える場合はWordへの変換のみが行われ、ユーザーはファイルを2000文以内に収まるよう分割し、再度翻訳にかけることが必要。OCR機能は、30ページまで有効だという。