NTTドコモは、3月からエリクソン・ジャパンと共同開発したAI(人工知能)技術を通信品質の最適化業務に適用すると発表した。将来的に同業務を完全自動化させるという。
ドコモは、通信トラフィックの情報や品質調査の情報を多面的に分析することで、通信品質を最適化しているという。これまで技術者(品質改善従業者)が現地調査や通信品質分析、改善策立案などを行っていた。
今回の取り組みでは、品質改善従業者の経験やノウハウをAIに学習させ、通信品質に関するデータの分析や問題のあるエリアおよび通信品質低下の要因特定などをAIが実行し、つながりやすい安定した通信の提供を目指すとしている。AI化によって全国の通信品質状況をすぐに把握し、1000項目以上のデータ分析も同時に実行できるという。これにより品質最適化の業務品質を全国均一にでき、全国のネットワークを網羅的に品質改善していけるとする。
既に2019年12月から主要都市で試験運用し、AIが検知した問題の結果から品質改善従事者が適切な対策手法を抽出するなどの成果を確認しているという。同社は、5G(第5世代移動体通信システム)では、さらなるネットワークの複雑化や通信トラフィックの増大、顧客ニーズの多様化が予想されるとし、AIで最適化や予測などの業務を完全に自動化させ、品質改善従業者がコンサルティングなどより高度な業務に取り組めるようにしていくとしている。