PwCは、中国にある日系企業200社を対象に、新型コロナウイルスの対応におけるBCP(事業継続計画)の発動状況などを調査した結果を発表した。7割以上が事前にBCPを策定していた一方、60%は「BCPに不備」もしくは「周知不足」で有効に働かなかったと回答した。
BCPが適切に機能しなかった理由には、「被害想定をはるかに超えていた」「策定プランに中国現地法人の観点が欠落していた」「抽象的な基本方針にとどまり、具体的な手順が明示されていなかった」などが挙げられたという。
初動対応の実施策では、「社員へのマスクや消毒薬の配布」(88%)や「当面の間、出張の禁止」(86%)を中心に、多くの企業が不要不急の面会の延期や在宅勤務の推奨といった対応を行った。
また、在宅勤務などのリモートワークでは「一部アクセスできないデータやアプリケーションがあり支障がある」との回答が52%に上る一方、「VPNなどを利用して自宅などから問題なくしている」は36%だった。7%は「オフィスでなければIT環境が使えず実質的に仕事にならない」と答えた。
回答企業の事業拠点(工場やコールセンターなど)の操業状態では、「平常通り」が37%で最も多く、以下は「春節(中国の旧正月)以後も停止しているが再開時期は決定している」(31%)、「その他」(20%)、「春節以後も停止し再開時期も不透明」(12%)だった。
中国での投資や体制の見直しについて、62%は「予定なし」と答えた。「以前より見直す予定だった」と「新型コロナウイルスの影響を受けて見直しを検討する予定」はそれぞれ9%だった。