エヌ・ティ・ティ・アド(NTTアド)とKaizen Platformは4月1日、デジタル変革(DX)の支援を強化するため、新会社「DX Catalyst」を設立した。新会社では、ユーザー体験(UX)を軸としたDXの企画やコンサルティングを行う。
またNTTアドは同日、協創ビジネスの拡大に向けて、Kaizen Platformの既存株主であるNTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)からKaizen Platformの株式を追加取得した。
NTTアドは1月、NTTグループ各社などとの共同出資でeスポーツ分野における新会社「NTT e-Sports」を設立。同社は、動画コンテンツやモバイルアプリケーション、デジタルサイネージを活用した街づくり×ITマーケティングの具現化や、ビジネス創出に向けて取り組んでいた。今回、動画の活用やウェブサイト改善などのサービスに基づいてUXを設計する Kaizen Platformと提携することで、自社の取り組みを加速させる。
Kaizen Platformは、企業の事業に最適なDXを支援するクラウド基盤サービス「Kaizen Platform」と、動画や顧客体験の改善を支援する基盤「Kaizen Ad」を提供している。
NDVは、NTTグループ全体のスタートアップやベンチャーのコミュニティーの窓口として、国内外のスタートアップの発掘や、事業シナジーの創出、運用ファンドによる出資を行っている。その中で、ウェブサイト最適化ツールや高度なUI(ユーザーインターフェース)の改善スキルを持つ専門家がいるKaizen PlatformとNTTグループとの将来的な協業の可能性を見据え、2016年1月に出資していた。そして今回、NTTアドとの協業を強化するため、NDVが取得していた株式の譲渡に至ったとしている。
NTTアドとKaizen Platformは、2019年1月の業務・資本提携以来、共同でNTTグループのウェブサイトにおける商品・サービス紹介の動画化、各種パンフレットや顧客説明ツールといった既存コンテンツのデジタル化・動画化など、5G(第5世代移動通信システム)を見据えて動画を中心としたマーケティングサービスの提供に取り組んできた。今回の資本提携強化や合弁会社設立を通して、両社の強みを掛け合わせたパートナーシップを強化していく。ユーザーの関心や趣向に合わせてパーソナライズされたコンテンツの提供や、動画による新しい顧客体験の創出など、5Gがもたらす変化に適したUXの提供を軸にDXを支援し、事業の成長に貢献していくという。