IBM、第1四半期は3%減収--傘下レッドハットは好調

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-04-21 12:59

 IBMは米国時間4月20日、2020会計年度第1四半期決算(3月31日締め)を発表した。総売上高は前年同期比減となったが、傘下のRed Hatの売上高は大きく伸びた。今回の決算は、ハイブリッドクラウドに重点を置いた役員人事の変更後、初となる。

 IBMの第1四半期の売上高は前年同期比3.4%減の176億ドル、非GAAPベースの1株あたり利益は1.84ドルだった。

 アナリストは売上高を176億2000万ドル、1株あたり利益を1.79ドルと予想していた。

 クラウドおよびコグニティブソフトウェア部門(「Red Hat」プラットフォームを含むクラウドおよびデータプラットフォームや、コグニティブアプリケーション、トランザクション処理プラットフォームを含む)の売上高は前年同期比5%増の52億ドルだった。クラウドおよびデータプラットフォームの売上高はRed Hatがけん引し、前年同期比32%増だった。

 Red Hatの売上高は18%増となった。Red Hatの大規模な契約は前期より増え、前年同期比では約50%増だった。また、Red Hatは過去最大規模の契約を締結してもいる。

 IBMの最高財務責任者(CFO)James Kavanaugh氏は、「この数字は、IBMとRed Hatが力を合わせたことで生み出された価値を端的に表している。Red Hatによる大規模契約の締結と、Red Hatの技術をベースにしたIBMサービスのエンゲージメントというパイプライン、Red Hatの技術を組み込んだIBMのコンテナーソリューションを現在使用しているクライアントの数によってもそのことが分かる。結果、Red HatとIBMのコンテナープラットフォームは先進的な製品として注目され、クライアントの数が2200を超えるまでになった」と述べた。

 IBMは、同四半期のクラウド関連の売上高が前年同期比19%増の54億ドルだったと述べた。

 IBMの最高経営責任者(CEO)Arvind Krishna氏は、「IBMは、クライアントが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックという差し迫った脅威に立ち向かうための支援に力を注ぎつつ、彼らのミッションクリティカルなワークロードのハイブリッドクラウドへの移行や、人工知能(AI)による業務変革の支援を続けている」と述べ、「第1四半期のクラウド関連の業績は、IBMのテクノロジーと専門性に対してクライアントが現在抱いている信頼を反映しているとともに、将来に向けて揺るぎないハイブリッドプラットフォームの構築にまい進し続ける上での足場になる」と続けた。

 Krishna氏は決算発表時の電話会議のなかで、同社は良好な態勢で第1四半期を迎えていたと語った。「とはいえ、この数週間でわれわれは、クライアントの優先順位が資本の保護に変化していく状況に直面した」と述べ、ソフトウェア以外はささやかな影響で済んだものの、ソフトウェアに関しては他分野に比して大きな影響があったとした。

 同氏は、「当社は比較的強い立場にあった状況から、厳しい環境に置かれることになった。(中略)今経験していることは、リモートワークや自動化、アプリケーションのモダナイゼーションが進む中、当社顧客のハイブリッドクラウド移行を加速させる」と述べた。

 Krishna氏はクラウドおよびコグニティブソフトウェア部門を率いていたが、4月に入り、CEOに就任した。Red HatのCEOを務めていたJim Whitehurst氏はIBMのプレジデントに就任している。

 Krishna氏はCEOに就任した初日に、従業員に宛てた書簡の中で「IBMの2つの戦略分野であるハイブリッドクラウドとAIが顧客のための変化を促すとともに、全社で注力しなければならない」としていた。

 IBMの第1四半期のシステム部門(ハードウェアとオペレーティングソフトウェアを含む)の売上高は3%増加した。「IBM Z」の売上高は59%増、ストレージシステムの売上高は18%増となった。

 グローバルビジネスサービス部門(コンサルティング、アプリケーションマネジメントおよびグローバルプロセスサービスを含む)の売上高は横ばいの41億ドルだった。コンサルティングの売上高は4%増となった。

 グローバルテクノロジーサービス部門の売上高(インフラストラクチャー&クラウドサービスおよびテクノロジーサポートサービスを含む)は6%減の65億ドルとなった。

 グローバルファイナンシング部門の売上高は26%減の2億9900万ドルとなった。OEMの商用ファイナンシングの状況が影響した。

 IBMは新型コロナウイルス危機の影響を考慮し、2020年通期のガイダンスは発表を控えた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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