NTT東とIPA、テレワークのためのシステムを10月末まで無償開放

ZDNET Japan Staff

2020-04-21 17:43

 NTT東日本と情報処理推進機構(IPA)は、シンクライアント型VPNテレワークサービスの実証実験システム「シン・テレワークシステム」を共同で緊急構築し、10月31日まで無償開放すると発表した。

 シン・テレワークシステムは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って在宅勤務などテレワーク環境の整備が急務となっている中小の企業や組織などに提供する。IPAのサイバー技術研究室とNTT東の「コロナ対策プロジェクト特殊局(仮設)」が連携し、大学や企業などの協力を得て調査や研究開発向けに整備されてきた環境を用いて短期で構築した。なお、今回の取り組みは開発中のプログラムや中継システムの技術向上を目的とする共同実験のため、品質などが保証された通信サービスではなく、個別サポートや問い合わせ対応も提供されない。

 利用に際して申請や登録などは不要で、すぐに利用を開始できる。まずウェブサイトからダウンロードした専用ソフトウェアを職場などで使用する許可されたPCにインストールする。その後に自宅のPCにも同じ専用ソフトウェアをインストールし、「サーバーID」と「パスワード」を入力することで、職場などのPCの画面データがインターネット経由で自宅のPCに転送される(画面転送方式)。これにより、自宅のPCから職場のPCにリモートアクセスして、テレワークなどが行える。

利用イメージ
利用イメージ

 両者では、ファイルの持ち出し禁止といったセキュリティポリシーに配慮して、専用ソフトウェアではファイル共有機能が有効なバージョンと無効なバージョンなどを提供している。今回の実証実験では、インターネット上に構築される「分散型クラウドゲートウェイ中継システム」を介して接続され、職場のPCがプロキシーやファイアウォールの内側にあっても、ポート転送や例外設定を追加する必要はないという。また、ユーザー認証(パスワードまたはデジタル証明書)とTLS 1.3で暗号化されたSSL-VPN通信チャネルを用いることでセキュリティを確保した。一般的なインターネット回線で利用できるとしている。

 提供期間は10月31日までだが、実証実験の進展や新型コロナウイルスに関する状況によって期間を延長する場合があるという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  3. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  4. セキュリティ

    もはや安全ではないVPN--最新動向に見る「中小企業がランサムウェア被害に遭いやすい」理由

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]