SaaSや非IT部門の利用増加で加速--セゾン情報が解説するデータ連携の重要性 - (page 3)

阿久津良和

2020-05-13 07:00

 同社の測定によれば、DataSpider Cloudで使用するDataSpider Studioのレスポンスを最大97%削減し、データ連携にかかる処理時間を最大88%削減したという。

セゾン情報システムズ 執行役員 テクノベーションセンター センター長 有馬三郎氏
セゾン情報システムズ 執行役員 テクノベーションセンター センター長 有馬三郎氏

 同社はデータ連携を実現するアダプターを開発する際、汎用性と専用性の2つに注力していると説明。本来であれば、すべてを網羅するのが理想的だが、開発リソースやアダプター自身の品質管理を維持するのは不可能だ。

 そこで同社はJDBCやファイル接続といった汎用的なアダプターと、特定のサービスに特化した専用アダプターを組み合わせることで「(市場需要に)対応できると考えている」(執行役員 テクノベーションセンター センター長 有馬三郎氏)

 専用アダプターを開発する際も需要分析を踏まえた市場要求仕様書を作成し、自社で利用する場合はプロトタイプ(試作品)、利用しない場合は“ラボ版”を開発。他社での検証やユーザー需要に努めてきた。興味深いのは「ERPやCRM(顧客情報管理システム)といった非IT部門の需要増」(有馬氏)である。

 同社はSaaSの利用増や非IT部門の利用増、各企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進部署の普及が背景にあると分析する。そのため「説明書を読まなくても使えるようなUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザー体験)に優れ、複雑さに対する提言要求が強まっている」(有馬氏)とデータ連携ツールを取り巻く環境をつまびらかにした。

 セゾン情報システムズは2020年度から組織構成を変更し、従来のHULFT事業部に連なる7部門を、HULFTビジネスユニット下にエンタープライズビジネス部、パートナービジネス開発部に集約させた。また、研究開発(R&D)部門だったテクノベーションセンターに製品開発部を追加し、「従来の開発組織では得られないエンジニアリング組織に変えていく」(有馬氏)ことで、開発部門の成長目標を引き上げていく狙いだ

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