コンカーは5月20日、ビジネスシーンのキャッシュレス推進に向けて「LINE Pay」との提携を発表した。コンカーは2次元コード決済として、2018年9月にみずほ銀行の「J-Coin Pay」、2020年1月に「PayPay」との連携を発表済み。また、JR東日本の「Suica」や西日本鉄道の「nimoca」といった交通系ICカードとの実証実験を続けており、法人カード、交通系ICカード、2次元コード決済とデータ連携の幅を広げてきた。
LINE Payとの提携について、コンカー代表取締役社長 三村真宗氏は「入力・承認・チェックをなくす社会を目指したい」とビジネスキャッシュレス構想の目標を掲げた。PayPayやLINE Payの対応は6月ごろを予定している。
コンカー 代表取締役社長 三村真宗氏
コンカー 戦略事業推進室 室長 船越洋明氏
2019年12月に自由民主党と公明党がまとめた「令和2年度税制改正大綱」では、経費精算に利用できるデータ活用の幅を広げる旨が記述されている。
2015年の電子帳簿保存法改正では、電子署名を不要にするなどシステム要件を緩和し、翌2016年の同法改正ではスマートフォンの領収書画像を解禁した。そして2020年10月1日施行予定の同法改正では、キャッシュレス決済によるデジタル明細(キャッシュレス決済時に受領する利用明細データ)が領収書を代替可能としている。
詳細は今夏発表予定となるため、現時点で具体的な対応方法は不明確ながらも、コンカー 戦略事業推進室 室長 船越洋明氏は「システム対応を先行させている」ことで、2020年10月以降のキャッシュレス促進に取り組む。
インターネットリサーチが3月11~14日に全国18歳以上の515人を対象にした調査結果によれば、経費支払時のキャッシュレス化を希望する割合は76%におよぶ。2019年8月の同様の調査と比較すると、デジタル連携できない個人名義のクレジットカード使用率は低下(8.8%減)し、デジタル連携可能な手段はいずれも増加した(交通系ICカードは15.3%増、2次元コード決済は3.6%増、法人カードは14.7%増)。
経費精算の仕組みに質問がおよぶと、外部クラウドサービスの利用率はわずか6.4%。49.5%が社内システムを利用し、残る44.1%が紙やExcelといったアナログで処理している。この結果について三村氏は「日本企業のアナログ度を示す結果」と指摘した。