人間にとっての最も基本的な動機付け要因、すなわち安全の確保(基本的欲求):
リーダーや部下、その誰もが、家族や友人の健康、そして収入の安定を心配しています。安全に対する要求は、多くの活動の原動力です。各部門のリーダーは、安全についての第一に考え、従業員の出張や在宅勤務に関して判断すること、従業員と継続してコミュニケーションをとることが非常に重要です。
また、こうした時期だからこそ、時給などで働く派遣従業員への支払いを維持する企業もあります。こうした経営判断を通じて、事業を支えるすべての人々への配慮を示すことができるのです。弊社でもこのようなことは実施していますが、Microsoftなど世界をリードする最大規模の企業も同じことを行っています。
従業員の健康への配慮を(ウェルビーイング):
自宅での隔離を余儀なくされた従業員にさらに包括的に対応して、それらの人々がヘルスケアサービスやマスクなどの消耗品を入手できるよう人事部門とも連携する企業は多くあります。人事が中心となり、在宅・リモートワークによって精神的ストレスを感じている従業員を支援できるよう、管理職へのトレーニングも重要となります。地域を超えてチームリーダーたちは、従業員も接続することのできるインフォーマルなチャットを定期的に開催するのはどうでしょうか。
また、このような危機にこそ、一人ではないこと、支えあうことが重要になります。集うことにより、危機を乗り越えることができます。弊社の例となり恐縮ですが、従業員同士で自主的にラジオ体操をする試みが広がっています。
オンラインは、臨場感や没入感はありません。しかし、過去の思い出や信頼の蓄積をベースにつながりが保てるのではないでしょうか。ラジオ体操を知らない人は少ないと思います。ラジオ体操の音楽を聴くとふと体が動きます。記憶を頼りに、人は集い、そして、一緒に短い時間を共有し、運動する。単純なことですが、オンラインの可能性を見たような気がしました。オンラインによって、信頼関係をいかに構築するのか、従業員、経営者が試されいるかと思います。
個々の従業員が業務進捗を維持できるよう支援する:
従業員体験に関してすでに立証されている重要な要素のひとつに、人々は日々何らかの達成感を感じていることです。そしてテクノロジーはこれに関して極めて重要な役割を担います。
従業員は混乱の中でも業務を進め、それを完了しなければなりません。多数のオフィスが閉鎖されている現在、在宅勤務の体験にはオフィスにいるのと事実上変わらないことが求められます。