Microsoftは米国時間5月27日、「Windows 10」の次期機能アップデート「Windows 10 May 2020 Update」(「バージョン2004」)をメインストリームユーザーに提供開始したと発表した。開発者向けには2週間ほど前にリリースされている。
バージョン2004の開発プロセス(つまり「Windows 10 20H1」の機能アップデート)が2019年12月に終了していたとみられることを考えれば、現時点で新たなニュースはそれほどない。12月以来、Microsoftはこのアップデートに数多くの微調整や変更、修正を加えてきたが、大きな新機能は追加していない。つまり、27日の提供開始に先立ち、6カ月近くにわたってInsiderによる追加テストが実施されてきたことになる。
最近のこれまでのアップデートと同様に、Microsoftはバージョン2004を数週間かけて段階的に提供していくとしている。同日よりバージョン2004を、自発的に「Windows Update」からアップデートの有無を積極的に「探し求め」て、すぐにダウンロードするようなユーザーに向けて提供し始めた。
同社のブログ記事では、「使用しているデバイスで『Download and install』(ダウンロードしてインストール)が表示されない場合もある。というのも、われわれは今後数週間をかけてゆっくりと(アップデートを)展開していく予定であるため、あるいはデバイスに互換性の懸念があり、優れたアップデートエクスペリエンスを提供できると確信できるまで、該当デバイスをしばらくの間、アップデート対象から外すケースもあるためだ」と説明されている。
Microsoftによると、バージョン2004は「Windows Server Update Services」(WSUS)および「Windows Update for Business」を通じて段階的にロールアウトされる。またバージョン2004は27日より、「Volume Licensing Service Center」(VLSC)からも提供が開始されている。さらに筆者が「Visual Studio Subscriber」のダウンロードページからの入手可否について尋ねたところ、同じく27日より提供が開始されているとの回答が返ってきた。また、「Windows Server 2004」の一般提供についても尋ねたところ、27日より開始されているという。
バージョン2004には多くの修正や変更以外にも、言及しておくべき新機能がいくつかある。バージョン2004は「Windows Subsystem for Linux(WSL)2」のサポートをOSに追加するアップデートでもある(同社がOSイメージからLinuxカーネルを削除する決定を下したという3月のニュースを思い出してほしい)。さらにバージョン2004では、再起動の際に、オープンしていたアプリを自動的に復元するというオプションも追加されている。
バージョン2004のアップデートについて、ITプロフェッショナル向けの機能もブログで説明されている。Windowsセットアップ時のコントロール機能と診断機能のほか、予約済み記憶域に関する機能が強化されている。また、「Chromium」ベースの新ブラウザー「Microsoft Edge」に対する「Windows Defender Application Guard」のサポートや、「FIDO2」規格のセキュリティキーへのサポートの強化、設定や配備時における配信の最適化やサービス/配備機能の拡張が含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。