ハードウェア定義言語(HDL)と呼ばれる言語で回路そのものを設計し、書き換えられるプログラミング可能なプログラマブルロジックデバイス(PLD)の一種であるField Programmable Gate Array(FPGA)を開発するザイリンクスは6月16日、アクセラレーターカードの新製品「Xilinx Alveo U30」を発表した。
6月12日に開かれたオンライン記者会見で米本社データセンターグループビデオ製品マーケティング担当ディレクター Aaron Behman(アーロン・ベーマン)氏は、「(U30が)1チャネルあたりのコストを削減し、高い密度トランスコーディングを必要とするライブ放送事業者」向けと説明し、ビットレートあたりのコスト削減を目指す放送事業者には、既存の「Xilinx Alveo U50/U200」を推奨した。日本からU30は台湾のWistronがアジア太平洋地域、今夏からはHypertecも北米と日本市場を担当する。
Xilinx データセンターグループビデオ製品マーケティング担当ディレクター Aaron Behman
XilinxはFPGAをベースに、用途に合わせて能力が異なるAlveoシリーズを展開しているが、6番目のファミリーとなるU30は、1カードあたり4Kp60の同時トランスコード×2をサポートし、解像度を720p30に低下させると同時トランスコード数は36まで拡大する。PCI Expressカードのサイズはハーフハイト/ハーフレングスのため、サーバーの形状を選ばない。
動画圧縮規格である「H.264」とその後継である「H.265 Faster」や明るさの幅を広げられる表示技術「ハイダイナミックレンジ(HDR)」をサポートし、「将来的には他のワークロード、具体的にはAI(人工知能)や機械学習などにも対応する」(Behman氏)
冒頭で述べた通り、提供方法はアプライアンス形式を採用し、「OEMパートナーなどに当社からリファレンスデザインを提供する」(Behman氏)形に変更した。
Alveo U30の概要(出典:ザイリンクス)