IDC Japanは、国内IoTインフラストラクチャー市場の最新予測を発表した。それによると、2020年支出額は前年比5.1%増の1048億円になると見込んでいる。2019~2024年の年間平均成長率は14.6%で、2024年の支出額が1971億円になると予測している。

IoTの3層モデル(出典:IDC Japan)
同社では、IoTの基本アーキテクチャーとする「IoTの3層モデル」を定義する。これに基づく予測では、2020年の国内IoTコアインフラ市場の支出額が前年比1.7%増の678億円、予測期間中の平均成長率は10.9%で2024年の支出額を1117億円と予測する。一方、同国内IoTエッジインフラ市場の支出額は11.9%増の371億円、予測期間中の平均成長率は20.9%、2024年の支出額が854億円になるとしている。
これについては、IoTのデータの分析処理が多様化して処理応答時間の長時間化(遅延)やセキュリティの観点から、エッジ層を使う処理を志向する企業が増えているという。そのためコアインフラ市場に比べエッジインフラへの投資が増加していくといい、エッジインフラが市場全体に占める割合は2019年の33.2%から、2024年には43.3%になると、同社では見ている。
また、IoTエッジインフラ市場について汎用サーバーとIoTエッジ専用製品に分けた予測も行い、2020年の汎用サーバーの支出額は、前年比3.7%増の68億円、予測期間中の平均成長率は4.5%、2024年の支出額は81億円とする。IoTエッジ専用製品の支出額は16.4%増の93億円、予測期間中の平均成長率は32.7%、2024年の支出額を328億円と見込んでいる。
エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「IoTエッジインフラにおけるデータ分析処理のニーズが高まり、耐環境性を有するIoTエッジインフラとして、IoTエッジ専用製品の需要が今後拡大する。IoTインフラベンダーはIoTエッジ専用製品のラインナップを強化し、IoTインフラビジネスの拡大を図ることが必要」とコメントしている。