Amazon Web Services(AWS)は米国時間6月17日、「AWS Snowcone」の一般提供を発表した。同社のエッジコンピューティングおよびデータ転送デバイスの「Snow」ファミリーに加わる新製品となる。ユーザーはインターネット接続ができない環境でも、AWS Snowconeを使ってデータの収集と処理を行い、AWSに転送できる。
このデバイスは、安定したネットワーク接続ができない過酷な環境や遠隔環境のほか、医療、運輸、物流、自動運転車など、ポータビリティーを必要とする使用事例向けに設計されている。
AWS Snowconeは、サイズが9✕6✕3インチ(22.8✕15.2✕7.6cm)、重さ4.5ポンド(2.1kg)で、Snowファミリーでは最小の製品。Amazonによれば、ドローンとも併用できる。
CPU2基、4GBのメモリー、8TBのストレージを搭載し、有線・無線ネットワーク接続が可能。USB-Cで電源を供給するほか、オプションでバッテリーも用意する。Amazonによると、EC2インスタンスを起動したり、「AWS IoT Greengrass」を動かしたりするのに、十分な計算能力を備えている。一旦データを保存した後は、デバイス自体をAWSに送付して、オフラインでデータを転送できるほか、「AWS DataSync」と接続してオンライン転送も行える。
「2015年以来、顧客によるSnowballデバイスの利用が大幅に増加するとともに、より小型で携帯性に優れたデバイスへのニーズが高まっていた。IoTセンサーデータの分析や機械学習による推論など、拡大し続ける使用事例のために、エッジで稼働するアプリケーションが増えている。AWS Snowconeを使えば、スペースが限られた過酷な環境で、データの収集、保存、前処理を容易に行い、より集中的な処理のためにAWSに転送できる」と、AWSのストレージ/自動化/マネージドサービス担当バイスプレジデントのBill Vass氏は説明した。
データ処理がクラウドからデバイスへと移行する中、クラウドプロバイダーにとってエッジコンピューティング機能がますます重要なセールスポイントになっている。AWSは過去数年間、この分野の製品を拡充しており、2019年12月には、エッジコンピューティングに5G(第5世代移動体システム)の恩恵をもたらすために、Verizonと提携した。また、同社は2016年に「AWS Snowball Edge」を導入し、さまざまな物理環境でローカル処理を行えるようにした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。