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テクノロジーの可能性を信じる企業が変化できる--日本TCSの垣原社長

國谷武史 (編集部)

2020-07-21 06:00

 2014年に、三菱商事系の旧アイ・ティ・フロンティアとインドのTata Consultancy Servicesの合弁で発足した日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)。2019年9月に代表取締役社長に就任した垣原弘道氏は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を志向する企業が増える中で現実の形にできるかどうかは「ケイパビリティー(組織としての能力)によるところが大きい」と話す。

 垣原氏は、三菱商事で石油化学プラントの事業に携わり、2000年以降は同社機械グループCIO(最高情報責任者)やコンサルティングサービスのシグマクシス設立(代表取締役 最高執行責任者)、三菱商事 ITサービス事業本部長、アイ・ティ・フロンティア 代表取締役 執行役員副社長などを歴任した。「技術の出身ではない」(同氏)と話すが、20年近いITビジネスの経験を持ち、日本TCSの副社長としても同社設立に深く携わってきた。

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ 代表取締役社長の垣原弘道氏
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ 代表取締役社長の垣原弘道氏

 TCSはインド最大手のITサービス企業で、146カ国・40万人以上の社員が在籍する。しかし本国インドでの売り上げは全体の1割ほどといい、大半は海外企業のITを“裏方”として支えるビジネスが中心だ。垣原氏によれば、日本TCSは発足の経緯から当初こそ日本企業の文化が強かったものの、現在では社員の国籍が20カ国以上に及ぶ。年平均成長率は5%で、日本企業の良い部分と欧米企業の合理性をうまく組み合わせながら、日本企業のDXを実行段階まで支援することをミッションに掲げる。

 DXという言葉の意味の捉え方は企業や人によって異なるだろう。垣原氏は「AI(人工知能)のような先進的なテクノロジーを使うような意味で用いられるケースもあるが、テクノロジーは手段でビジネスの在り方を変えていくことと認識している」と話す。企業が真にDXを実現できるかは、「ケイパビリティーによるところが大きいし、テクノロジーの可能性を信じるかどうかにもかかってくるだろう」と語る。

 国内が主体の企業とグローバル企業の“融合”は、多くの面で苦労を伴う。それでも元来の強みから新たな強みを形成しなければ、競合がひしめく市場で生き残ることはできないだろう。垣原氏は、グローバル企業の合理性の一例として、TCSでは社員番号をグローバルで統一している点を挙げる。

 「日本のお客さまにこの話をすると、驚かれることが多い。その方が一人ひとりの社員にどのような業務システムなどがひも付いているかが明確になり、社員がどこで働いていても分かりやすく管理もしやすい。われわれとしては、そうした合理性の良い面を取り入れている」と垣原氏。世界的なコロナ禍でTCSグループの約40万人の社員もリモートワーク体制に移行しているが、その切り替えに要した期間は4週間だったという。

 こうした変化への対応力も垣原氏の言うケイパビリティーの1つ。その上で顧客のDXに向けては「Business 4.0」をキーワードに、「グローバル」と「カタリスト(触媒)」からなるハイブリッドアプローチをうたう。グローバルに含むのは、変化への対応力や創造力、実行力、合理性といったケイパビリティーであり、カタリストとしては共創による革新や構想を実装し実現させていくとする。

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