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ネットアップ、コロナ禍時代の顧客の成長支援戦略を発表

國谷武史 (編集部)

2020-07-29 13:36

 ネットアップは7月29日、2021事業年度の事業戦略を発表した。2019年12月に代表執行役員社長に就任した中島シハブ氏と、常務執行役員CTO(最高技術責任者)の近藤正孝氏が、コロナ禍時代において顧客企業の成長を支援していくとする取り組みなどを説明した。

ネットアップ 代表執行役員社長の中島シハブ氏
ネットアップ 代表執行役員社長の中島シハブ氏

 同社は、2014年から「Data Fabric」構想を提唱している。中島氏は改めて「顧客のデータファブリック構築を支援し、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド クラウドなど、どのような環境にデータがあってもそれに関わらず、データを最大限に活用し、破壊的創造時代の中で顧客のビジネスの成長を支援していく」と表明した。

 同氏は、ここでは「戦略的な組織構造」「パートナーエコシステム」「エンドツーエンドのソリューションポートフォリオ」「ベストな技術と営業/エンジニアのチーム」を同社の強みに挙げる。組織変革とさらなる新規顧客の獲得、クラウド分野を含むパートナー連携の拡大、多様な経験を持つエンジニア集団を同社の強みとして、顧客の課題解決に臨むとする。

 現在、顧客は(1)クラウドのロックインの回避、(2)マルチクラウド環境の簡素化、(3)データセキュリティ――の3つの主要な課題を抱えるという。これに対し同社は、アプリケーションとデータサービス、インフラの3つの層に分けて対応しており、中島氏はアプリケーションとデータサービスではアジリティー、インフラではコスト削減やセキュリティ強化を価値として提供してきたと述べた。

 多くの企業が直面するコロナ禍においては、同社ではすぐに対応すべきステップ1、今後に向け最適化を図るステップ2、成長を図るステップ3の、3つの段階別で取り組んでいるという。ステップ1では、顧客のテレワーク移行などで必要な仮想デスクトップ環境の利用やセキュリティの確保などを支援した。

サブスクリプション型サービス「Keystone」
サブスクリプション型サービス「Keystone」

 現在はステップ2の施策を展開する。新たに、顧客が必要用に応じてストレージ容量や運用管理手法を選択できるサブスクリプション型サービス「Keystone」の提供を開始し、顧客は年間契約で最小15TBから同サービスを利用できるとした。また、オンプレミスやクラウドにまたがる各種ストレージの状況把握やトラブルシューティングができるクラウドサービス「NetApp Cloud Insight」も展開。中島氏は、「クラウドインフラスのコストを平均で33%削減でき、人工知能(AI)を活用して迅速に問題解決を図れるなど、これからのデータ管理に求められるサービス」と説明している。

 これからの成長を図るとするステップ3については、近藤氏が説明を行い、Data Fabric構想に基づいてインフラ管理者、アプリケーション開発者、データサイエンティストを想定ユーザーとする取り組みを紹介した。

ネットアップ 常務執行役員CTOの近藤正孝氏
ネットアップ 常務執行役員CTOの近藤正孝氏

 まずインフラ管理者では、ハイブリッド/マルチクラウド環境の管理を最適化することが主な課題だとし、米国時間の7月13日に発表したSpotの買収に触れた。Spotは、各種インフラ上のコンピューティングリソースを最適化するソリューションに強みがある。近藤氏は、ネットアップが強みとするストレージとデータの最適化にSpotが加わることで、「アプリケーション駆動型のアプローチが実現され、普段はあまり使われないスポットインスタンスあるいはリザーブドインスタンスといったコンピューティングリソースを組み合わせながら適材適所でインフラを切り替えていけるようになる」と述べた。

米国時間7月13日に発表したSpot買収によるソリューションの方向性
米国時間7月13日に発表したSpot買収によるソリューションの方向性

 また、アプリケーション開発者向けにはコンテナーやオーケストレーションツールのKubernetes関連の取り組みを挙げた。同社は、コンテナーアプリケーション環境での堅牢なデータ管理を実現する仕組みとして「TRIDENT」をオープンソースソフトウェアで公開している。現在は、TRIDENTをベースにした「Project Astra」を推進。真のアプリケーション移植性の実現を目的に、コンテナーアプリケーションとデータの柔軟な接続性や管理を可能にするもので、10月以降に製品として一般提供を開始する計画だという。

 データサイエンティストに向けては、これまでポイントソリューションを展開してきたといい、今後はより本格化させる考えという。機械学習による人工知能(AI)モデル開発・保守のAIOpsに向け、「ネットアップ AI コントロールプレーン」をGitHubで提供していくとした。

「ネットアップ AI コントロールプレーン」の概要
「ネットアップ AI コントロールプレーン」の概要

 加えて近藤氏は、日本独自の取り組みとして、エクイニクスと共同展開するハイブリッド/マルチクラウドの検証環境「ネットアップハイブリッドマルチクラウドラボ」や、ハンズオン形式の施設「NDX Lab」なども紹介。最後に、「ハイブリッドクラウド時代の主要5社(Microsoft、Google Cloud、Amazon Web Services、VMware、NetApp)の1つになる」という目標を挙げ、上述の取り組みを推進していくと語った。

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