WorkdayとIBMは米国時間8月12日、企業によるオフィス勤務の再開を支援するために提携関係を拡大して新しい共同ソリューションを提供すると発表した。
世界中の多くの政府と関係当局が、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を抑制するために実施したロックダウン(都市閉鎖)により、企業はオフィスの閉鎖を余儀なくされた。
それにより在宅勤務への移行が進み、当面はリモートワークを継続しなければならない従業員がいる一方、一部の従業員はオフィスに戻ることを求められる見通しだ。
それを、いかに安全に行うかが重要となるため、企業や地域社会のリーダーは新型コロナウイルス感染拡大のリスクを減らすために、可能な限り対策を講じる責任がある。
企業によるオフィス復帰の取り組みに、十把一からげの法規制で対応しようとするのは限界がある。ソーシャルディスタンスを保つためのマーカー、消毒剤の提供、個人用保護具(PPE)のガイダンスや、一度に職場に入れる最大人数の把握などは役に立つが、これだけで課題に対応しようとするのは不十分かもしれない。
こうした状況を鑑みて、IBMとWorkdayの新しいソリューションは、「企業と地域社会のリーダーが、従業員の安全な職場復帰を計画し、スケジュールを立て、監視できるようにする」という。
このソリューションは、既に企業向けに提供されているさまざまなWorkdayとIBMの管理システムを組み合わせたものになる。両社によると、「プランニング機能を従業員、地域社会の健康、職場に関する重要データと統合する」という。
その中心となるのは「Workday Adaptive Planning」で、既に5000社以上がプランニング、予測、モデリングのために、この柔軟なソリューションを活用している。COVID-19を考慮して、このソリューションにWorkdayの「Human Capital Management」と、従業員の職場復帰の準備態勢に関するデータも取り入れた。
IBMは、企業がCOVID-19のさなかに従業員を安全に職場へ戻すには、「適切なデータと洞察」が必要であるとしている。「Watson」の人工知能(AI)モデルを利用して、顧客にそうした洞察を提供すべく、IBMの「Watson Works」も統合した。
Watson Worksは、WatsonのAIを活用して施設管理、職場への再立入、ケア管理、職場の安全性、接触追跡を行う、一連の製品で構成されている。
システムが分析したデータは、「エビデンスに基づいた」予測や情報を提供し、ユーザーがCOVID-19関連の課題に対応しつつ、自社に適した新しいビジネスプロトコルを判断できるようにする。
例えば、以下のようなものがある。
- 施設の収容能力をモデル化し、入退出スケジュールを管理してソーシャルディスタンスを保つことができるように従業員数を制限
- 地域社会と職場での感染リスクを評価
- PPEの供給および在庫のプランニング
- 職場の安全計画とリスクスコアの分析
- オフィスベースのみ、完全リモート、あるいは両者の組み合わせについて従業員の懸念および感情と職場復帰モデルを評価
IBMクラウド/コグニティブ・ソフトウェアのAIアプリケーション担当ゼネラルマネジャーを務めるKareem Yusuf氏は、「共同ソリューションの提供でWorkdayと提携することで、Watson Worksが提供する機能を拡張し、顧客がより優れた機動性によって、絶えず変化する労働条件と進化するビジネスニーズに対応できるように支援する」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。