Crawford Del Prete氏は調査企業IDCのプレジデントであり、IT業界に関する専門家としてトップクラスの人物だ。そんな同氏が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックから企業が業績を回復する過程となる5つのステージや、ニューノーマルでの成長に最も大きな影響を及ぼすテクノロジーについて、シリコンバレーに拠点を置くコンサルティング企業Constellation Researchの創業者であり、最高経営責任者(CEO)でもあるRay Wang氏と筆者に語ってくれた。
Del Prete氏は2019年2月にIDCのプレジデントに指名された。同氏のそれまでの役職は、IDCの最高執行責任者(COO)だった。同氏のリーダーシップの下、IDCは市場関係のインテリジェンスを提供する企業として世界で最も有名かつ信頼される存在として業界トップの座を確立している。同氏はIT業界に関する専門家として第一人者であり、情報テクノロジー業界の構造や発展について詳細な研究を行ってきている。また同氏はテクノロジーやビジネスのリーダーらに対して、テクノロジーが世界を変革している時代においていかに適応、変化していくかについてアドバイスしてもいる。
IDCのプレジデントであるCrawford Del Prete氏(Twitterのハンドルネームは@Craw)
Wang氏と筆者は、ビジネスに対するCOVID-19の影響や、今後のIT投資のトレンド、パンデミック後のデジタル経済に成長をもたらす可能性のある重要なテクノロジーについての理解を深められるよう、われわれが週次で放送しているビデオポッドキャスト「DisrupTV」にDel Prete氏を招いた。以下は、Del Prete氏と交わした会話のなかで出てきたポイントだ。
Crawford Del Prete is the president of @IDC. @Craw talks about how companies are responding to the pandemic and the key technologies that will drive future innovation and growth. https://t.co/y8oEaqlWyf
— Vala Afshar (@ValaAfshar) July 18, 2020
COVID-19のパンデミックから企業が回復する際の5つのステージ
IDCの考えでは、世界的なパンデミックによってもたらされた危機から回復する際、企業は5つの段階を経るという。これらの段階それぞれでは、ビジネス上の重要課題が企業の上級幹部の主な関心、そしてCEOにとってのアジェンダとなる。Del Prete氏は企業による対応の5つのステージを1)危機、2)減速、3)景気後退、4)投資、5)回復と定義した。これら5つのステージにおける重要な鍵は1)事業継続性、2)投資利益率(ROI)への注力、3)運用のレジリエンス、4)加速、5)イノベーションだ。つまり、企業の回復にはイノベーションが不可欠ということだ。
テクノロジーの活用によるニューノーマルへの移行
提供:IDC