東亜石油は、日本IBMとエクサの支援を受け、設備保全管理システムを刷新した。新システムは6月8日に稼動を開始している。保全業務とシステム更新により、これまで時間がかかっていた保全計画や予算計画立案といった業務の大幅な短縮が期待できる。
新たな設備保全管理システムでは、機器マスターや保全計画、予算計画、工事から購買、保全履歴、資材在庫を管理し、電子承認ワークフローによる業務改善とスケジュール管理を目指して、それらを統合管理できるエンタープライズ資産管理(EAM)ソフト「IBM Maximo」が採用された。
Maximoは資産台帳の登録、保全計画、作業指示管理、購買管理、在庫管理といった設備保全管理業務に必要な機能と保全データを活用したデジタル変革推進基盤を提供する統合パッケージ。同製品は、東亜石油で管理されている約10万1500件におよぶ設備資産を一元管理し、メンテナンス状況の見える化と属人化の抑止、KPI(重要業績評価指標)による設備信頼性の強化につなげる。
今回の導入で、保全計画の立案・点検検査までを一括管理し、品質や取引先などの発注管理が可能となった。また資材の入出庫の在庫と予備品在庫管理は、バーコードによる管理を行えるようになった。さらにこれまでの紙ベースの承認プロセスをペーパーレス化した電子承認へ変革できた。
東亜石油では、これまで点在していた設備機器データ、保全データをMaximoで一元管理することにより、作業の進捗や実績、保全計画やリスク、コスト等を踏まえた中長期保全計画の立案を行い、効率的かつ的確な保全活動の実現を目指していく。